128話 ページ30
「違え俺が下ろした金だ！ いつまでもシミったれられっとこっちも気分悪ィんだ」
「あ……え！？ おめーどこで聞い……」
「いつもみてーに馬鹿晒せや」
「ふぇ……ふぇ、ふぇいだうェイ」
「だめ……ウチこの上鳴ツボッフォ！！」
じろちゃん笑いすぎじゃない？？ なんて思ってた時期が私にもありました。トントンと肩を叩かれたから振り返れば
「んぶっふ！」
上鳴君と同じ顔をしてるエルキドゥと目が合った。焦凍くんとロビンは既にやられたのか蹲っている。
それ反則じゃない？？？ エルキドゥの髪型・体格はそのままに顔はアホな上鳴君とかズルいにも程がある。
「んん、じ、じろちゃ……ｗｗ」
「ブフォッ！！」
エルキドゥの顔を見た人全員もれなく笑い死んだ。
「皆！ すまねえ……！！ 詫びにもなんねえけど、今夜はこの金で焼肉だ！！」
「ウェーい！！！」
「マジか！！」
「やった……！」
とりあえず全員が落ち着いてから寮の中に入る事に。そういえばまだ中入ってすらいなかったね。
いざ中に入るとそこは……！
「広い……！」
建物自体は女子と男子で別れてるらしいけど、1階は共同スペースらしい。それに反応したよくない輩に先生が釘刺してた。
「部屋は2階から。1フロア男女各4部屋の5階建て。一人一部屋、エアコン、トイレ、冷蔵庫にクローゼットつきの贅沢空間だ」
冷蔵庫まであるの！？？！？！ 何それ最高じゃん！
「我が家のクローゼットと同じくらいの広さですわね……」
ヤオモモちゃん？ 君さては実家大豪邸だな？？
「部屋割りはこちらで決めた通り。各自事前に送ってもらった荷物が部屋に入ってるから、とりあえず今日は部屋作ってろ。明日また今後の動きを説明する。以上解散！」
「ん、じゃあ二人とも。お手伝いよろしくね」
頼もしい二人に快く返事をもらえた。焦凍くんにまた後でって手を振って、ヤオモモちゃんと一緒に五階に向かった。
私の部屋はヤオモモちゃんの隣らしい。
『草創』の表札がある部屋に入って、すぐさま段ボールを片すべく作業に取り掛かった。
「ん、重……」
「待って待って、そういう重たい物は僕とロビンフッドがやるから、優作は服とか色々片付けてて」
ロビンもそうそうと言ってくれたから、お言葉に甘えることにして私は私のやるべきことを。
「ありがとう……よろしくね」
服だの何だのを片し、とっても大事な物をあるべき場所に並べ。こうして色々と片付けは進んでいった。
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作者名：Chiharu | 作成日時：2021年8月23日 2時
