118話 No side ページ20
「アァアアアアア暴レ足リンゾォアアア！！！」
ムーンフィッシュを倒して尚暴れまわるダークシャドウに轟と爆豪が火を近付ける事で鎮静化させた。
「てめェと俺の相性が残念だぜ…」
「……すまん助かった……」
「俺らが防戦一方だった相手を一瞬で……」
エルキドゥは気絶しているムーンフィッシュを拘束しようとして…………やめた。敵の狙いが自分にあることを思い出し、むやみに能力を使うわけにはいかないと判断したためだ。
そうこうしているうちに、緑谷たちの話がかなり進んでいた。
「そうだ……！！ 敵の目的の一つがかっちゃんとランサーさんだって判明したんだ」
「爆豪とランサーが……？ 命を狙われているのか？ 何故？」
「わからない……！ とにかく…ブラドキング、相澤先生プロの2名がいる施設が最も安全だと思うんだ」
「なるほど、これより我々の任は爆豪とランサーを送り届けること、か！」
「ただ広場は依然プッシーキャッツが交戦中。道なりに戻るのは敵の目につくしタイムロスだ、まっすぐ最短が良い」
「敵の数わかんねえぞ、突然出くわす可能性がある」
「数は10人……いや、ちょっと待って………………」
再度スキル【気配感知】を使い、この森の違和感を炙り出す。現状、襲撃してきそうな敵の数は
「驚いたな、随分退けたみたいだ。僕たちに襲撃してきそうな敵は4人程度だよ」
「ランサーさん、そんなことまでわかるの！？ すごいな……それに、障子くんの索敵能力がある！ そして轟くんの氷結……更に常闇くんさえ良いなら制御手段を備えた無敵のダークシャドウ……。このメンツなら正直、オールマイトだって怖くないんじゃないかな……！！」
「何だこいつら！！」
「おまえら中央歩け」
「俺を守るんじゃねえクソ共！！！」
爆豪を守るための布陣が整えられた。エルキドゥは一番最後を歩く事になったのだが
「ラン、サー……」
「！ 優作！ どうしたの？ どこか苦しい？」
「爆豪君を……まもる、のは…………わかる。じゃあ、あなたの事はだれ、がまもる……の？」
息苦しそうにしながらも必死に話す優作。エルキドゥが自分は大丈夫だと言っても、イヤイヤと首を振り続ける。
お互い譲らず、話し合いは平行線。時間ロスはするまいと、優作は強硬手段に出た。
「令呪をもって……命ずる。…………その姿を一時的に変えなさい……！」
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作者名：Chiharu | 作成日時：2021年8月23日 2時
