【MHA×FGO】それを人は愛と呼ぶ 3 (ページ18)

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116話　　No side ページ18

意識を失った優作を抱え、エルキドゥは森の中を走っていた。まともにガスを吸ってしまったらしく、優作の顔色は悪い。
エルキドゥ自身もガスを少なからず吸っており、少しずつHPが削られていく。

(まずいな……敵と出会っても僕なら勝てる。でも、生徒らが危ない…………誰かと合流しなくては)

エルキドゥが炙り出したこの森の違和感からして、敵は10人。厄介なのは交戦せずに施設まで戻らなくてはいけない事。万が一敵と遭遇した場合、戦わずに逃げるというのは、かなり困難だろう。

「おかしいな……誰も見つからない…………」

道を進んでいけばエルキドゥ達の前のペア、轟と爆豪がいるはずなのに見つからない。しかも、脅かし役であるB組の生徒でさえもだ。

常闇、障子、轟、爆豪辺りが保護しているのではと考え、エルキドゥは再び生徒を探して歩き始めた。

しかし、しばらくしてあちこちから聞こえてくる轟音に顔を顰めた。
生徒たちの誰かが敵と交戦している可能性がある、と。

「どうしたものか…………っ！」

その時、自身の頭に声が響いてきた。マンダレイの【個性】テレパスだ。

「『A組B組総員─────プロヒーローイレイザーヘッドの名に於いて……先頭を許可する！！！』」

「！」

その言葉を聞いてエルキドゥは走り出した。前方から聞こえてくる音からして、轟、爆豪が近くにおり、交戦しているはずだ。
ようやくその背中が見えた時、再度テレパスが。

「『ヴィランの狙いの一つ判明──！！』」

立ち止まってテレパスに集中する。

「『狙いは生徒の【かっちゃん】と【ランサーさん】！かっちゃんとランサーさんはなるべく戦闘を避けて！単独では動かない事！わかった！？かっちゃん！ランサーさん！』」

「な……！」

敵の目的が生徒にある。エルキドゥは驚きのあまり優作を落としそうになった。

(ガスのダメージが思ったよりきてるな)

しかしこの場にガスがあまり広がっていない事を感じ、スキル【完全なる形 A】で弱体解除、HPを回復した。
そして敵に襲われている轟、爆豪を鎖で救出。

「ランサー！？」

「やっと見つけた……僕たち狙われてるんだってね」

「！優作……！ガスにやられたのか！」

「そう。だからアイツを早いとこ倒して、施設に向かわないとね」

三人は目前の敵を睨め付けた。

「エル……キドゥ……」

少し意識が回復したらしい優作。先程のテレパスを聞いており、エルキドゥの身を案じた。