230話 ページ36
「わざと負け過ぎても手抜きに気づかれますし、僕のように勝ち過ぎて相手を不機嫌にさせてしまう。ちょうどいい塩梅で、相手を勝たせていい気分にさせる。そんなこと、並の技術と精神力で出来ることじゃありません」
ここまで出来るのは予想外だったかも。めちゃくちゃ褒めてあげよう。今まで耐えてきた分、たーくさん。
細やかな計算なんてしなくても、生きなくてもいいように。
「僕の予感は正しかった。ジャミルさんの本来の能力は実に素晴らしいものです！」
「だろ？ だろ？ やっぱりジャミルはすごいヤツなんだよ！」
「ジャミルさんはカリムさんより、僕のようなタイプと気が合うと思いますよ。どうです？ これを機にオクタヴィネルに転寮して僕と手を組んで一旗あげてみませんか？」
あ、私知ってるこれ。りりあさんのお手伝いした時に見たな。洗剤の…………混ぜるな危険ってやつだ。
「絶対にお断りだ。大体なんなんだお前は。いきなり出てきてべらべらと……胡散臭いんだよ！ 今後もお前とは永遠に友人になんかなりたくないね。アズール」
「あはははははは！！」
「おやおや、言われてしまいましたねぇ」
「フフフ……かまいません。今回は僕の秘密コレクションに新たな真実が１つ追加されたことで良しとしましょう」
「別名、他人の弱点コレクションね」
おっと、あんまりおくたゔぃねるの人達に弱いところ見せないようにしよ。何されるかわかったもんじゃないし。と、笑いすぎて咽せながら考えていた。
「……フン。世界中に向けて、明かされちまった秘密なんて、弱みでもなんでもないだろ。
……もう、今日からは遠慮しない。カリムにも、お前らにも、誰にも。二度と勝ちを譲ってやる気はないからな」
「……ああ！オレも絶対に負けないぜ！」
ま、何はともあれ一件落着かな。今回も無事に生き残れて安心したよ。下手したら死ぬと思ったしなぁ。
今夜は安心してぐっすり眠れそう。
…………なんて思ってたのに。あんまり眠れない。
べらんだに出て月を見上げた。すごく綺麗な星空に、大きな月が浮かんでいる。
何だか寂しいこんな夜は、彼の声が聴きたくなる。
「…………大丈夫だよって、言って欲しいな……なんて」
ちょっと贅沢すぎたかな、って思ってたら、強い風が吹いた。突然の事にびっくりして目を細めると、降り注ぐ月光が、まるで桜のように見えた。その瞬間。
『もう大丈夫だよ、甘えんぼさん』
待ち望んだ声が聴こえた。ああ、今夜はよく眠れそう。
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どん - Chiharuさん» 分かりました楽しみに待ってます (2021年6月1日 10時) (
レス) id: 9e05ed3410 (このIDを非表示/違反報告)
Chiharu(プロフ) - どんさん» リクエストありがとうございます〜！ 夢主を小さくですね、わかりました。遅くなってしまいますが、必ず書きますね。 (2021年6月1日 9時) (レス) id: 7076ed243d (このIDを非表示/違反報告)
どん - またリクエストしてもいいですか夢主人公が小さくなったところが見てみたいです (2021年5月30日 11時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
Chiharu(プロフ) - どんさん» たくさんのコメありがとうございます！ 本日、イメイラを描いたので、数日以内に載せさせていただきますね。セベクとの絡みは、本編で書かせていただきます(´∀｀) リクありがとうございました〜！ (2021年5月25日 20時) (レス) id: 7076ed243d (このIDを非表示/違反報告)
どん - Chiharuさん» セベクと夢主人公の絡みが見てみたいです (2021年5月24日 18時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Chiharu | 作成日時：2020年8月29日 0時
