226話 ページ32
「……俺は、俺だって ─────── 一番になりたいのに」
まるでどこかの第二王子様のよう。と思ってみたりもしましたが、ここは根本的に違うような気がします。
努力をしても、影で何かを言われる人。そして、努力をしても、それを出す機会がない人。要するに、環境の違い。似てはいますけどね。
とりあえず、歩き続けて見つけました。俯いているじゃみるさんを。
「やれやれ、こんな所にいらしたんですね。とりあえず一言言わせてくださいね」
「………………」
「なっちゃいましょうよ、一番！ それが出来るんでしょう？ 幸いにも、かりむさんは貴方の謀反を気にしてはいない様子ですし、何より貴方の事が大好きなようなので、これを機にもっと反抗してみては？
試しにまず、思った事を素直にそのまま口に出しちゃいましょうね！ 言いきった時の気持ちよさは尋常じゃないですよ〜！ アレです、すとれす？ が半減します！ きっと、いい関係性になれるのでは？」
「…………な」
あんぐりと口を開けて間抜けな顔のじゃみるさんがこちらを見てきた。ふふ、面白い顔。
じゃみるさんの横に腰掛けて、本音を吐き出してくださいと言うと、ちょっとずつ色んな事を言ってくれた。
「あの鈍感！ 俺がどれだけの物を犠牲にして自分が生きているかまるでわかってない！ しかも俺の手加減で手にした手柄を嬉々として報告してくる！！！」
「容赦ないですねー、天真爛漫ってやつは」
「大人も大人で俺を正当に評価しないくせに、自分らの事情全部押し付けて！ 賢いからなんて一言で俺が納得すると思ってやがる！」
「人間の大人なんて、結局自分がよければ全てよしみたいなところありますからねぇ。しかも子どもはみーんな、大人の言うことを聞く生き物だと思い込んでるのは殺意湧きますよね」
なんて、色々と話していたらじゃみるさんの声がだんだん震えてきた。泣いてるのか、気付かないフリでもしておこうかなー。
「俺がどれだけ頑張っても、誰も褒めてなんかくれない。褒められるのは、いつだってカリムなんだ」
「努力は人を裏切らないと、いつか誰かが言ってました。じゃみるさんの場合、努力には裏切られてませんけど、その努力を表明し、評価してもらえる場がなかったのですね…………」
では、とじゃみるさんの前に座って、頬を両手で包み込んだ。切れ長な目に浮かんだ涙を、親指の腹で優しく拭った。
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どん - Chiharuさん» 分かりました楽しみに待ってます (2021年6月1日 10時) (
レス) id: 9e05ed3410 (このIDを非表示/違反報告)
Chiharu(プロフ) - どんさん» リクエストありがとうございます〜！ 夢主を小さくですね、わかりました。遅くなってしまいますが、必ず書きますね。 (2021年6月1日 9時) (レス) id: 7076ed243d (このIDを非表示/違反報告)
どん - またリクエストしてもいいですか夢主人公が小さくなったところが見てみたいです (2021年5月30日 11時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
Chiharu(プロフ) - どんさん» たくさんのコメありがとうございます！ 本日、イメイラを描いたので、数日以内に載せさせていただきますね。セベクとの絡みは、本編で書かせていただきます(´∀｀) リクありがとうございました〜！ (2021年5月25日 20時) (レス) id: 7076ed243d (このIDを非表示/違反報告)
どん - Chiharuさん» セベクと夢主人公の絡みが見てみたいです (2021年5月24日 18時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Chiharu | 作成日時：2020年8月29日 0時
