224話 ページ30
｢これで……一番に……やっと、自由になれたと思ったのに……｣
じゃみるさんの本音が聞こえた。と同時、何も見えなくなった。
真っ白な光の後に、真っ暗な空間。最早こんな状況にも慣れてきた。はーーーーー、いい加減にしてくれないかな。助け出すこっちの身にもなって欲しいね。
仕方ないか、と半ば諦めつつじゃみるさんを探しに歩く。
『ジャミル〜！ 遊ぼうぜ！』
案の定、声が聴こえてきた。じゃみるさんの記憶…………おーばーぶろっとの原因とも思えるような記憶。
大体の人の記憶は、幸せそうなものではない。今回は何を聴かせられるのやら。
『今日こそはボードゲームでお前に勝ってやるからな』
『またかよ、カリム。何回やっても俺の勝ちに決まってる。俺、別の遊びしたいんだけど……』
そうですねぇ、子どもの遊びへの興味は差が激しいですしね。簡単にできてしまえばしまうほど、次の遊びを欲し、逆に、出来なければできないほど、もう一度もう一度と、何度でもやりたがる。
『コラ！ ジャミル！ カリム様になんて口の聞き方をするの！』
『カリム様、いつもうちのバカ息子と遊んでくださりありがとうございます』
そして、それを親として認識できない立場にあったのが、じゃみるさんの御両親。
まったく、家で違う遊びをしてあげるとかしてあげればよかったものを。何なら、その親がかりむさんと遊んであげればよかったのに。
というかそもそも、従者兼友人という関係を彼らが作り上げればよかったのでは……？ 共に成長していけるような、競い合える、そんな関係を築けば平和でよかったのではなかろうか。
「物心ついて最初の記憶は、カリムや、カリムの両親にペコペコと頭を下げる両親の姿。俺は、その姿を見るのが大嫌いだった」
そりゃぁそうだ。子どもにとっては親が世界の全て。そんな人達が必死こいて頭下げてるところなんて、見てて気持ちの良いものではないですもの。
「カリムの親は、俺の親よりずっと偉い。だから……カリムも、俺より【偉い】だから、勉強も、運動も、遊びも──絶対にカリムを追い抜いてはいけない」
ある種の刷り込みみたいなものか。今回のすからびあ寮どっかーん事件、誰かが悪いだなんて、思えなくなってきちゃったなぁ。
「俺は、カリムに合わせてなんでも【出来ないふり】をした」
それは、じゃみるさんが相当優秀であったと言う事を示す事。本来ならそんな芸当、簡単に、素知らぬ顔で出来るものじゃないからね。
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どん - Chiharuさん» 分かりました楽しみに待ってます (2021年6月1日 10時) (
レス) id: 9e05ed3410 (このIDを非表示/違反報告)
Chiharu(プロフ) - どんさん» リクエストありがとうございます〜！ 夢主を小さくですね、わかりました。遅くなってしまいますが、必ず書きますね。 (2021年6月1日 9時) (レス) id: 7076ed243d (このIDを非表示/違反報告)
どん - またリクエストしてもいいですか夢主人公が小さくなったところが見てみたいです (2021年5月30日 11時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
Chiharu(プロフ) - どんさん» たくさんのコメありがとうございます！ 本日、イメイラを描いたので、数日以内に載せさせていただきますね。セベクとの絡みは、本編で書かせていただきます(´∀｀) リクありがとうございました〜！ (2021年5月25日 20時) (レス) id: 7076ed243d (このIDを非表示/違反報告)
どん - Chiharuさん» セベクと夢主人公の絡みが見てみたいです (2021年5月24日 18時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Chiharu | 作成日時：2020年8月29日 0時
