219話 ページ25
「いつもオレを助けてくれて、頼りになるいいヤツで……ッ」
「かりむさん」
もう聞いていられなくて、思わず声をかけてしまった。まあ、さっき散々言わせてもらったから、いいか。好きに言っちゃえ。
「かりむさん、頼りになるいい人は、人をこんな極寒の砂漠に投げたりしません。そもそも、人を投げるなんてて野蛮な真似しませんから」
「ま、普通に考えて友達を投げたりなんてできないよね」
私とユウ君に続いて、ふろいどさんもじぇいどさんも好き勝手言い始める。
ただ……
「もし僕があんな裏切り方をされたら……持ちうる語彙の限り罵って精神的に追い詰め、縛って海に沈めますよ」
聞き間違いかと思ったら、ユウ君が青ざめてたから、私の耳は正常らしい。随分とまあ物騒な……。今後じぇいどさんを絶対に裏切らないと心に決めた。
「それを自分のせいだなんて、いいヤツを通り越してちょっと気持ち悪いです」
「気持ち悪……いや、でも。ジャミルは絶対にオレを裏切ったりはしないはず……」
気持ち悪いは可哀想だけど、まあ言い得て妙。
「根拠はあるんですか？」
「え？」
「じゃみるさんが、絶対にあなたを裏切らないと言う根拠です。ありますか？ 従者だから？ そんなものは薄っぺらいものですよ。だって、従者はいつの世も主人を裏切るんですから」
いい例が、明智光秀様。彼が何故裏切ったのか。そんなのは私の知る由ではないけれど。
もし私が誰かに仕えていたとして、その主人が無能だったとしよう。それで、私はその主人よりとても優秀だとする。ならば、私は主人を裏切り、その座を手にしたいと思うかな。それと、同じ。
「わかりますか？ 人間なんて、所詮薄っぺらく、強欲な生き物なのですよ。相手を騙したければ、いい人間を演じるんです。好かれるように、頼られるように、友好関係を築いて…………相手の好感が最高潮に達した時、それを跳ね除けるのです」
「睡蓮……？」
「その時の相手の顔が、とても面白いんですよ。信頼していた人物が、絶望した顔をしている。その顔を見るのが楽しいんです。故に、人間は誰かを裏切ります。自分の利益のためならば、相手がどうなろうと構わない」
かりむさんの目の前にしゃがみ込んで、その心臓の上付近に、指をとんと指した。
「それが、貴方達人間なのです」
後から聞いた話、この時の私はとても悪い顔をしていたみたいだ。
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どん - Chiharuさん» 分かりました楽しみに待ってます (2021年6月1日 10時) (
レス) id: 9e05ed3410 (このIDを非表示/違反報告)
Chiharu(プロフ) - どんさん» リクエストありがとうございます〜！ 夢主を小さくですね、わかりました。遅くなってしまいますが、必ず書きますね。 (2021年6月1日 9時) (レス) id: 7076ed243d (このIDを非表示/違反報告)
どん - またリクエストしてもいいですか夢主人公が小さくなったところが見てみたいです (2021年5月30日 11時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
Chiharu(プロフ) - どんさん» たくさんのコメありがとうございます！ 本日、イメイラを描いたので、数日以内に載せさせていただきますね。セベクとの絡みは、本編で書かせていただきます(´∀｀) リクありがとうございました〜！ (2021年5月25日 20時) (レス) id: 7076ed243d (このIDを非表示/違反報告)
どん - Chiharuさん» セベクと夢主人公の絡みが見てみたいです (2021年5月24日 18時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Chiharu | 作成日時：2020年8月29日 0時
