218話 ページ24
かりむさんの肩を叩くと、案外あっさりと起きてくれた。よかった、風邪を引かないで済むと思う。
「よかった。気がつかれましたね。どうやらスカラビア寮のある時空の果てのようです」
時空の果て…………まさか鏡で別の次元に向かってたの私！？ 知らなかった……学園の敷地内の何処かにある寮に行ってるんだとばかり……。
「グリムさんは毛むくじゃらですし、僕達人魚はある程度寒さに強い身体ですが……睡蓮さんとユウさん、カリムさんは長時間ここにいるのは命の危機が伴いそうな寒さだ」
「…………ええ、私も寒さ耐性は人族のそれと変わらないようで………………ふえっくしゅん！」
うう、寒い……。ぐるっと辺りを見渡してみても、すからびあ寮は見つけられない。歩くなんて出来ないし、私は自分で受けるけど、みんなを浮かべられるかはわからない。しかも、さっきから魔法を使ってるか、なるべく魔法は使いたくない。
「それにしてもフロイドのその声、落ち着きませんね。契約書を破って破棄しますから、元に戻しましょう」
「えー、結構気に入ってたのにぃ……」
うわっ。一回契約書を砂にされたからだろうか。何の躊躇もなく破り捨てたよあずーるさん。ふろいどさんの声が戻ったのはいいけど……何か複雑かも、なんてね。
「アズールと契約してユニーク魔法を『貸す』だなんてよくできますね。我が兄弟ながら感心します。なんだかんだ理由をつけて魔法を返してくれない気がするので、僕なら絶対にアズールと契約なんてしたくありません」
「確かにアズールならやりそうだけどさ」
あずーるさんの信用皆無すぎて吐き出すかと思った。
「オレ別に魔法が返ってこなくてもいーし。声に飽きたらまた別の契約すりゃいいじゃん」
「お前達、聞こえてますよ」
信頼関係どうなってるんだ……とユウ君と話していたら、かりむさんの啜り泣く声が聴こえてきた。
「う、うぅ……っ。うう、ジャミル……信じていたのに」
「あれ。ラッコちゃん泣いてんの？ 涙凍るよ」
信じてたのに、かぁ。昔はたくさん言ったなぁ……。言うたびに泣いて泣いて…………自己嫌悪に陥って、更に泣いて……。
「オレのせいだ……！」
でも、今のかりむさんみたいには思わなかったな。
「知らないうちに、ジャミルのことを追い詰めちまってた。ジャミルは、本当はあんなことするようなヤツじゃない！」
違う。違うんだよ、かりむさん……。
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どん - Chiharuさん» 分かりました楽しみに待ってます (2021年6月1日 10時) (
レス) id: 9e05ed3410 (このIDを非表示/違反報告)
Chiharu(プロフ) - どんさん» リクエストありがとうございます〜！ 夢主を小さくですね、わかりました。遅くなってしまいますが、必ず書きますね。 (2021年6月1日 9時) (レス) id: 7076ed243d (このIDを非表示/違反報告)
どん - またリクエストしてもいいですか夢主人公が小さくなったところが見てみたいです (2021年5月30日 11時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
Chiharu(プロフ) - どんさん» たくさんのコメありがとうございます！ 本日、イメイラを描いたので、数日以内に載せさせていただきますね。セベクとの絡みは、本編で書かせていただきます(´∀｀) リクありがとうございました〜！ (2021年5月25日 20時) (レス) id: 7076ed243d (このIDを非表示/違反報告)
どん - Chiharuさん» セベクと夢主人公の絡みが見てみたいです (2021年5月24日 18時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Chiharu | 作成日時：2020年8月29日 0時
