61話 殺気 ページ16
「躊躇なく殺しやがったぜ」
「いいから戦闘態勢とれ！ とりあえず！」
「━━━何故一カタマリでつっ立っている！？」
「！」
私達だけじゃない。プロヒーローにも動揺が見て取れる。
「エンデヴァーさん！！」
「あちらはもう⁉」
「多少手荒になってしまったがな！ して……あの男はまさかの……」
「エンデヴァー……」
ヒーロー殺しは掠れた声で、忌々しげにエンデヴァーさんの名を呼んだ。
「ヒーロー殺し━━━━！！」
ボウッ、と炎を出し戦闘準備に入るエンデヴァーさん。けれど
「待て轟！！」
様子のおかしいヒーロー殺しを見たグラントリノに止められた。
「贋物……」
身の毛がよだつような殺気を肌で感じた。全員、圧倒されて動けないみたいだ。
「正さねば……」
ヒーロー殺しなりの正義を宿した目がギラリと光る。
「誰かが……血に染まらねば……」
一歩、また一歩と、こちらに近付いてくるヒーロー殺し。
「っ…！」
その気迫は、エンデヴァーさんでさえも圧倒するほどのもの。けど、それがなんだって言うんだ。
「『
ああいう自己満足の犯罪者には、もう懲り懲りなんだよ。嗚呼、イライラする。
「来い……来てみろ、贋物ども…俺を殺していいのは─────────
「うるさいわよ」
その場にそぐわないような、私の声が響いた。自分で言うのもあれだけど、凛とした声だったと思う。
「あなたのそれはただの自己満足でしょう。そんな事をして何になると言うの？ あなたみたいな人のせいで、どれだけの人が悲しんだと思っているの？」
ゆらりと立ち上がった私を、誰もが息を飲んで見ている。中には信じられないものを見るかのような目で。
「いい加減に……してよ」
キッと睨み付けると、ヒーロー殺しは怯んだように一歩、後退りした。
「…………俺、は…………」
そう呟いたが、ヒーロー殺しは動かなかった。その目は何も見ていない。立ったまま、気絶したのだ。
ふざけるな、と殺してやりたい衝動に駆られたけど、出久君と目が合って、ハッとした。
「出久君大丈夫⁉」
「いや、僕は…………それより、さくらちゃんは……」
何か言いかけた出久君は、何でもない、ごめんね、とすぐに立ち上がり私を支えてくれた。
「……ごめん、は私のセリフだよ」
呟いた言葉は、出久君の耳に届く事はなかった。
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Chiharu(プロフ) - レナさん» ありがとうございます！ 突然更新祭りしましたね、ほんとに！笑 伝わっているんですね！？ 嬉しいです！ うちの出久君はかっこかわいいを目指してます！！ 本当にありがとうございます！！ (2020年4月19日 19時) (
レス) id: 7076ed243d (このIDを非表示/違反報告)
レナ - 続編おめでとうございます！ 文章の表現でとても分かりやすく面白いです 出久君が可愛いとかっこいいですね 更新頑張ってください (2020年4月18日 7時) (レス) id: eeb6921148 (このIDを非表示/違反報告)
Chiharu(プロフ) - れもんさん» めちゃくちゃありがとうございます！！ 神作と言っていただけるとは！！ 二度見しました（笑） そしてやる気も出ました。更新祭りします、本当にありがとうございます！ これからもよろしくお願い致します！ (2020年4月15日 23時) (レス) id: 7076ed243d (このIDを非表示/違反報告)
れもん - 神作ですね。すごく面白くてスラスラと読めてしまいました。もう、三回、四回ぐらい読み返してます笑出久君カッコいい…すごく面白かったです！ (2020年4月15日 6時) (レス) id: 5f620a849d (このIDを非表示/違反報告)
Chiharu(プロフ) - しがないペンギンさん» ふおおお、ありがとうございます！！ 4ヶ月もお待たせしてしまったんですね！？ それは大変申し訳ない事を致しました！！ 続編出しましたので、服を着てくださいね笑 これからも更新頑張っていきます！ (2020年2月14日 0時) (レス) id: 4d689be570 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Chiharu | 作成日時：2020年2月9日 17時
