59話 神月家 ページ14
「立て！！ まだ奴は……」
轟君の声に全員がハッとするけど
「大丈夫、流石に気絶してるよ」
ぐったりと、動かなくなっていた。
「ごめんね、結構足手まといになっちゃったや……」
くらくらとする視界の中、立ち上がろうとしたけどダメだった。貧血か、決着がついて気が抜けたのか、フラッと斜めに体が倒れていく。
「さくらちゃん！」
「いずくく…………」
倒れる直前、出久君が抱きとめてくれて事なきを得た。他のみんなはヒーロー殺しを、縄で縛り付けていた。
「みんなの怪我を治さなきゃ……」
「後で大丈夫だから！！ 今は休んで、無理しすぎだよ！」
でも、と食い下がろうとしたら、ダメなものはダメ！！ だとすごい顔で止められた。
出久君にお姫様抱っこで運ばれながら、路地裏を出ると……
「む⁉ んなっ……何故お前がここに！！」
道の向こう側から、小柄なおじいちゃんがこっちを見ていた。
「グラントリノ！！」
出久君が名前を呼ぶって事は……恐らくヒーロー。そして、出久君の職場体験先の人、かな？
「座ってろっつったろ！！！」
グラントリノと呼ばれたおじいちゃんの靴底が、出久君の顔面を蹴った。
「まァ……よぅわからんが、とりあえず無事なら………⁉」
おじいちゃんと目があった。そりゃ、今まさに蹴った人が女の子抱えてたらびっくりするよね。
「嬢ちゃん……神月家か？」
「はい？」
貧血なのも忘れて、間抜けな声で返事をしてしまった。ていうか、職場体験来てから『神月家』ってのをよく聞くんだけど……。
「私の苗字は癒坂ですけど……」
「その紅色の瞳は神月の者の証なのだが……本当に神月家とは関わりがないのか？ 母の旧姓は？」
そう言われて気が付いた。私は、お母さんの旧姓を知らないどころか、おじいちゃんおばあちゃんにすら会ったことはない、と。
「その……神月家って一体何なんですか？」
おじいちゃんは、ゆっくりと説明してくれた。黎明期から続く名家で、個性が混ざり、複数の個性を扱えるような家だと。
つまり父と母の個性が自分にも受け継がれるどころか、先祖代々の人の個性をも受け継いでおり、それを自由に使えるのだと。
そして、一族に無個性の者が混ざると、子孫は無個性になってしまうのだと。
「そんな…………」
何故か出久君がショックを受けたような顔をしている。でもまあ、お母さんからそんなやばい話聞いた事はないし、大丈夫でしょう。
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Chiharu(プロフ) - レナさん» ありがとうございます！ 突然更新祭りしましたね、ほんとに！笑 伝わっているんですね！？ 嬉しいです！ うちの出久君はかっこかわいいを目指してます！！ 本当にありがとうございます！！ (2020年4月19日 19時) (
レス) id: 7076ed243d (このIDを非表示/違反報告)
レナ - 続編おめでとうございます！ 文章の表現でとても分かりやすく面白いです 出久君が可愛いとかっこいいですね 更新頑張ってください (2020年4月18日 7時) (レス) id: eeb6921148 (このIDを非表示/違反報告)
Chiharu(プロフ) - れもんさん» めちゃくちゃありがとうございます！！ 神作と言っていただけるとは！！ 二度見しました（笑） そしてやる気も出ました。更新祭りします、本当にありがとうございます！ これからもよろしくお願い致します！ (2020年4月15日 23時) (レス) id: 7076ed243d (このIDを非表示/違反報告)
れもん - 神作ですね。すごく面白くてスラスラと読めてしまいました。もう、三回、四回ぐらい読み返してます笑出久君カッコいい…すごく面白かったです！ (2020年4月15日 6時) (レス) id: 5f620a849d (このIDを非表示/違反報告)
Chiharu(プロフ) - しがないペンギンさん» ふおおお、ありがとうございます！！ 4ヶ月もお待たせしてしまったんですね！？ それは大変申し訳ない事を致しました！！ 続編出しましたので、服を着てくださいね笑 これからも更新頑張っていきます！ (2020年2月14日 0時) (レス) id: 4d689be570 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Chiharu | 作成日時：2020年2月9日 17時
