73話 ページ27
鷹岡は、私達生徒の中から、イチオシの生徒を選べと言う。生徒が鷹岡に勝てれば、烏間先生を認める、と。おっと、
「その時はおまえに訓練を任せて出てってやる！！ 男に二言は無い！！」
あはっ、いざとなればこれ使って脅してやろ。
けど、ナイフが本物、だなんて。やっぱりこの人、おかしいよな。
「さあ烏間！！ ひとり選べよ！！ 嫌なら無条件で俺に服従だ！！｣
馬鹿だなあ、まだわかってないなんて。烏間先生はきっと彼を選ぶ。まあ、私を選んだりでもしたら、きっとあの人を殺しちゃうかもしれないから、ネ。
対象を守りきるためなら、刺客を殺す事をも厭わないのが、私達守り屋。嗚呼なんて、矛盾した職業。
まあ、私は守るために殺した事なんて一回もないんだけどね。
「渚君。やる気はあるか？」
ボーッとしていたら烏間先生が渚君を選んでいた。みんなはザワザワしながら二人を見つめているけど、私の昨日の予感が正しければ、渚君は大丈夫だ。
それに、万が一があれば私が叩きのめすしね。
「おまえの目も曇ったなァ烏間。よりによってそんなチビを選ぶとは｣
確か優れた教官は、集団の中でも個々の実力を見極められるらしいけど…………アイツあれか。無自覚ナルシスト系の奴。
自分が優れた教官だと信じて疑わない、最も厄介なタイプの人間だ。
どうやら、少しだけアドバイスを貰っていたみたいで、一瞬だけ絶望した顔をしたけれど、すぐに真っ直ぐ前を向いた。
そして、浮かべた笑みに、私はゾッとした。この場においてそんな顔ができるなんて…………多分、じゃない！ 絶対の才能！！
私達の暗殺教室において、彼はまさに天才！ そしてそれを自覚していないのが惜しい！！ 今も、
「捕まえた」
なんて、怪しげな笑みを浮かべている！ 彼にしたらあれだけの強敵を倒した後だっていうのに、全くもって殺意がない！ それどころか、あれが夢だったのでは？ と思わせてくるような感覚！
「大したモンだよ。よくあそこで本気でナイフ振れたよな」
「いや……烏間先生に言われた通りやっただけで」
みんなは渚君の元へと駆け寄って、頬をペチペチやったりしてるけど、私は行けなかった。
彼ほどの力が、私にもあれば…………なんて、くだらない事をどうしても考えてしまう。
「このガキ……父親も同前の俺に刃向かって」
「……あ」
しまった、考え事してる場合じゃあ、なかったね。
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きのこの山
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倉橋陽菜乃
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Chiharu(プロフ) - 沙羅さん» ありがとうございます！ 亀さん更新ですが、頑張ります！ (2020年3月14日 1時) (
レス) id: 4d689be570 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅 - 最近見つけたばかりですが続き、楽しみに待ってますね！ (2020年3月13日 23時) (レス) id: 1effbdffc2 (このIDを非表示/違反報告)
Chiharu(プロフ) - りんりんごさん» ありがとうございます！ 基本的に更新遅いのですが、これからもよろしくお願いしますね！ (2020年3月1日 11時) (レス) id: 4d689be570 (このIDを非表示/違反報告)
りんりんご - 8月からずーっと楽しみにしてました！頑張ってください！ (2020年2月23日 9時) (レス) id: c829f486b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Chiharu | 作成日時：2020年2月9日 14時
