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｢名前は…｣
『Aです、』
｢これは失礼。私は黒霧です。死柄木弔の世話係です。｣
｢こいつか。ホークスの女ってのは。｣
水浅葱色に近い髪色の男は、死柄木弔だと名乗った。
死柄木弔…。ヴィラン連合トップに立つ全国指名手配犯だ。
『…抵抗しないから、ホークスには酷いことはしないで』
｢ホークスを案じての命乞いか？｣
｢やめてください！弔くん！私のお友達なのです！｣
｢死柄木弔。彼女はただの人質です。いたぶるようなことはしないのが約束です。｣
｢それは、荼毘に言えよ。｣
｢俺は、ホークスと約束したからな。｣
この人達、本当に全国指名手配犯なの？
悪い人ってみんな仲間とも仲が悪いのかと思ってた。
｢俺らはAちゃんと仲良くなりたい！…なりたくねぇよ！！｣
『…？』
｢気にするな、A。トゥワイスは一身上の都合で後に言った言葉と反対の言葉を話す。｣
スピナーは、やっぱりこの中で一番の常識人に感じる。
黒霧さんも常識人の枠に入る。
｢当分の間、ここで生活してもらいます。みんな別室で寝泊まりしているので案内してあげましょう。｣
｢私が行きたいです！！Aちゃんと仲良くなりたいです！！｣
拘束も解いてもらって、今のところ私に対する悪意のようなものは感じられない。
やっぱりここは、素直に言うことを聞くのが賢明だろう。
通された部屋は、陽の光がよく当たる風通しのいい部屋だった。
私、人質であってる？
いやでもこれは、逃げないようにするための策じゃないの？？
自問自答しながら、部屋に入る。
部屋には、机とベッドしか置いてなくて少しだけ寂しく感じてしまった。
｢これから色んなの買い揃えてかあいくして行けばいいのです！！｣
『じ、じゃあ、トガちゃんに手伝ってもらっちゃおうかな』
｢はい！！お姉さんのお友達ができて嬉しいのです！！｣
よく喋る、トガちゃんはどうしてこんな所にいるのだろう。
たくさんの人を殺していても、
仲間内で仲がいいところとか
こんな笑顔を見ちゃったら一概に悪い人だといえなくなりそう。
｢みんな、Aちゃんのこともっと知りたがってます！！｣
唐突に、トガちゃんが口を開いた。
トガちゃんに連れられてまた先程の洋室へ戻ってきた。
尋問でも始まるのだろうか。
続く (更新停止中)
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作者名：ななし | 作成日時：2023年1月13日 11時
