七拾壱 ページ50
『この戦い、どちらが勝つか分かりません！！！』
氷を破っても肌を刺すような冷気が消える訳じゃないし、この監獄が無くなる訳じゃない。
悴み感覚がなくなってきている手に力を籠め刀を握る。
白銀の舞台に映える深紅の髪が冷たい風に吹かれてサラサラと揺れる。
圧倒的な力の前に、後ずさりそうだ。
それでも、常盤には負けられない理由がある。
血を流して自身を庇って血塗れになり倒れて行った最愛の兄の為に。
幼い常盤の記憶に捻じ込むように植え付けられて記憶は、今も彼女を弄ぶかのように嘲笑って心を蝕む様に居座っている。
もう、自分は守られるだけのか弱い存在ではないと、傷付く貴方を見て泣いている事しか出来ない無力な自分じゃない。
そう示すためにこの大会に出たのだ。
故に負けられない。
体中に傷を付くたって、感覚が鈍くなって立てなくなったて、息がしずらくなったて、もう動けなくなってしまっても、それでも。
それでも、こんなに強くなったんだって彼に示したいっっっっ！！！！！！！！！！
「うぅわああああああああああああっっっっっ！！！！！！！！」
叫び声を上げ、Aに突っ込んでいく。
「白亜の時の濁流に
この身を捧げ、敵を道連れにせん。
呪を唱えると常盤の持っている刀が、鈍く白銀に光りだす。
その冷たい輝きに皆目を奪われた。
口元を少し歪め突っ込んで来る常盤に、Aは反応しようとしたが動けない。
「これは使わんと思っとっただ。けんど、これくらいでもしなきゃ勝てねぇてことだべっっ！！」
鋭い剣先が、Aを切った途端二人を一瞬で大きな氷が呑み込み氷漬けにした。
「Aっっっっ！！！！！！」
「常盤っっっっ！！！！！！」
キラキラと光る一つの氷山が出来上がった。
・
おい、何でテメェが氷漬けされてんだ。
冷たい、そんなの私が知りたい。
うるせぇごちゃごちゃ文句言ってねぇでコレ壊せ。いや、壊させろ。
ソレって、
使えばお前と一緒に凍ってる嬢さんも救えると思うが？
うへぇ、上手い交渉だね。
じゃあ、使うんだな。
良いよ、使おう。
・
「熾伝解放
モード獣化」
聞こえるはずのないAの声が会場に響く。
次の瞬間武舞台の上に聳え立っていた巨大な氷山は一瞬で砕け散った。
ラッキーアイテム
ラベンダーアメジスト【愛を守り抜く石】
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 82人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「原作沿い」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
果口 陽暉(プロフ) - ななしさん» 年表を三章にて書いたのでよかったらどうぞ！ (2017年11月26日 14時) (
レス) id: 17a8e4b861 (このIDを非表示/違反報告)
まとい(プロフ) - 楽しみを毎日糧に生きていきます(笑）更新頑張ってください！ (2017年11月11日 15時) (レス) id: 013c4e821a (このIDを非表示/違反報告)
果口 陽暉(プロフ) - まといさん» 了解です！そうしますね。毎回助かってます！！！次の楽しみにしててください！！！！ (2017年11月11日 15時) (レス) id: 17a8e4b861 (このIDを非表示/違反報告)
まとい(プロフ) - そうですねー…。方言難しいので、分かるところは方言にして、ん？これは方言か？っていうやつは標準語にしたらいいと思います！ (2017年11月11日 15時) (レス) id: 013c4e821a (このIDを非表示/違反報告)
果口 陽暉(プロフ) - まといさん» はい、(人''▽｀)ありがとうございます！方言わかんないんでどうしようかなと。わかんないところは標準語の方が良いですかね？ (2017年11月11日 15時) (レス) id: 17a8e4b861 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：睡魔最強説 x他1人 | 作成日時：2017年7月15日 23時
