行かないで，【ワールドトリガー】2

第五十八話 ページ13

菊地「ぐっ…！」









菊地「どんどん下がりますね，ブラックトリガーのくせに」








風間「包囲されない為には，当然のことだろう」









風間「……空いた駒は喰われるぞ」










歌川「でもどうします？このままだと警戒区域外まで行くんじゃ…」









太刀「いや，それは無い。迅は市民を危険に晒さない」










太刀「しかし…確かに消極的過ぎるな。何を考えてる，迅」



















ｶﾞﾝｯ





ｶﾞｷｯ






ｶﾞｷﾝ



















太刀「どうした，迅………何で風刃を使わない。何を企んでる」













太刀「昔の方がプレッシャーがあったぞ」









菊地「まともに戦う気なんて無いんですよ。この人は単なる時間稼ぎ。今頃きっと，玉狛の連中がネイバーを逃してるんだ」











風間「いいや，迅は守りに徹しながら，此方のトリオンを確実に削っている」









風間「コイツの狙いは，俺たちをトリオン切れで撤退させる事だ」









迅「あーらら」







太刀「なるほど，あくまで俺たちを帰らせる気か。撃破より撤退させた方が，本部との摩擦が少なくて済む」












風間「戦闘中に後始末の心配とは…大した余裕だな！」



















菊地「何をもたもたやってるんだ…風間さんも太刀川さんも」








歌川「……！」







菊地「トリオン切れを狙ってたって、ただ逃げ回るだけじゃないか。あの人とは遠征前の訓練で，何度か戦ったけど、大して強くなかった」








菊地「特に相打ちOKなら直ぐにかたが着く……風間さん，やっぱりこの人は無視して玉狛に直行しましょうよ」








菊地「僕らのターゲットは玉狛のブラックトリガー。この人を追い回したって，逃げ回るだけだし時間の無駄だ」








風間「…なるほど，迅の逃げを封じる手か。確かにこのまま戦っても拉致があかないな…玉狛に向かおう」









迅「…やれやれ，やっぱりこうなるか」













ｼｭｯ









ﾄﾞﾝｯ



















歌川「ぐっ…」







菊地原「…！」









ﾊﾟｷｯ





ﾊﾟｷﾊﾟｷｯ










《戦闘隊，活動限界。緊急脱出(ベイルアウト)》

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