金髪の彼 ページ2
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泣きそうになりながらわたしはなぜか、
人のいない路地に引き寄せられるように入って行った。
今思えば、
運命だったのかもしれない。
その路地はお店の裏口がたくさんの細い道
ガチャガチャとした表とは裏腹に、
ただ黒い壁とゴミ箱があるだけ。
「ねぇ。」
A「…え?」
久しぶりに聞いた誰かの優しい声に振り向く。
「何してんの?」
金色の髪に整った顔、
その人は真っ直ぐな目でわたしを見てた。
きっとここで働く人。
…この人はホストなんだ。
A「いや、あの…」
「何?未成年だろ?」
A「…そうです、道迷っちゃって…その。」
「貸して。」
その人はわたしの手からスマホを抜き取って
「付いてきて。」
そう言った。
この人の何を信用できたんだろう。
瞬間的に、この人は大丈夫。そう思った。
どのくらい歩いたんだろう、
5分にも思えたし、30分にも思えた。
きっと、やっと迷子から解放される嬉しさと少しの不安で体内時計がおかしくなっていた。
歩いてる間は何も話さず、ただその人のななめ後ろをついて歩くだけ。
「ここまで。」
A「…っえ?」
「俺はこの街から出られないから、途中までね。」
「ここずっと真っ直ぐ行って2つ目の信号を左に行けば着くから。」
A「わざわざありがとうございました。」
「別に。」
その人はわたしの手にスマホを握らせながら言った
無愛想だけど、
ここまで連れてきてくれるんだもん。
絶対に優しい人だ。
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めぐ(プロフ) - このお話、本当に1番好きなお話で初めて見つけてから一気に読んでしまいました!!もう本当に更新されるのが楽しみです!これからも頑張ってください!!!! (2020年5月14日 18時) (レス) id: a7c0e774dc (このIDを非表示/違反報告)
emmmi901(プロフ) - こんな設定のお話を読みたかったので、毎回楽しく読ませて頂いています! (2020年4月30日 3時) (レス) id: 108a703d7c (このIDを非表示/違反報告)
yuki1010(プロフ) - え!小森くんと玲於くんお友達だったんですね! (2020年4月28日 22時) (レス) id: 76928dcfb4 (このIDを非表示/違反報告)
れれ(プロフ) - 続き気になります(^^)キュキュンしてにやけちゃいました(*´-`)更新頑張って下さい!更新まってます! (2020年4月14日 11時) (レス) id: 07be0dd135 (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - まだ3話だけど、めちゃくちゃ面白そうです!更新楽しみにしてます(*^^*) (2020年4月6日 18時) (レス) id: 8880343cfd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よぺな | 作成日時:2020年4月6日 12時