私のチャラい幼なじみ【Alan.S】 完結

早く ページ34

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観覧車を出た私は、走った。




いますぐ、亜嵐のところに行きたい。




涼太の鋭い勘が本当だとしたら、




_________亜嵐くんもAのこと



幼なじみだけじゃない目で見てる





__________亜嵐くんのところに行きな




涼太が言っていた言葉が頭の中をグルグル回って








______大切な人が離れたとき初めて大切さに気付く





いつだったかに見たドラマで言ってたことも、





なぜだか今になって頭に浮かぶ。







…亜嵐の大切な人、私だった？









…私の大切な人は、




今も昔もずっと亜嵐だったよ。









…ねえ亜嵐、






私、亜嵐に今すぐ好きって言いたいよ。






夏の夜のあの少し独特な涼しい風の中を




サンダルでも構わず走った






亜嵐に、早く会いたい。





◇




入場門にはいっぱい花が植えられていて




今の季節はミニひまわりが花壇を埋め尽くしている





黄色に染まった花壇の近く、





亜嵐の影を見つけた。






『…亜嵐！』






自分では叫んだつもりだったけど、





亜嵐には聞こえてなくて、






声っていえば、





中学最後の体育祭を思い出す。





亜嵐が応援団長に決まって、




副団長決めるときに、すごい勇気出して手を挙げた






__________「A、声出すの苦手じゃん、」





__________「なんで応援団になったの？」






__________『…んー、挑戦、かな笑』






…あの時は挑戦なんて言ったけど、




本当は私、亜嵐のそばにいたくて副団長したんだ。







…そんな風に、今までの5年間の思い出が





流れるように頭の中に出てきて、







…気付いたらもう亜嵐はすぐそばにいて







亜嵐の名前を呼んだあとに亜嵐が振り向いて、






私を見て笑った亜嵐の笑顔は、







すごく優しかった









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