___檻の中で舞う蝶___【参】

___偽物の___ ページ24

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勝敗が決まらず 未だ組手をしている二人。

私は気づいた事があり 頭も回転させていた。





一つ 雑渡さんは右足が軸だったはずだが 今は左。

二つ 戦いの仕草がいつもと違う。

三つ 言い方が何時もより違和感がある。

という 三つの事に気がついた。





『………』((ｻｯ


雑渡？｢やるね〜。｣





私は 顎めがけて飛んできた拳を避け

裏回しをして 足を上に上げ顔面目掛けてかかとで蹴る。

まぁ、防がれたんだけど。





多分 この雑渡さんは変装なのだろう。

雰囲気で何と無く気付いていたが普通の人なら絶対

分からないだろう 下級生も気づかないと思う。

上級生でも分かるかどうか。





そして この戦い方と軸足 変装の質 仕草などを当てはめて

変装してる人は 諸泉 尊奈門さんでは無いだろうか

という結論に至った。





『……おっと、』((ｽｯ


雑渡？｢考え事かい？余裕そうだね｣


『……あら、そちらも本気をだされてないでしょう？』((ﾆｺｯ





変装をさしてまで私と戦わせたいのか？

それとも変装してバレないか？みたいな？

まぁ、知らなけいけど。

部下を行かせてるんだ どこかで本人が見てるであろう。

見てるとしたら…… あそこかな。





『………』((ﾁﾗｯ


？？｢……｣((ｻｯ





やっぱり居た。

火薬倉庫の屋根の上 茶色の忍服 包帯巻いてる。

今更隠れたって遅い私の目を侮られちゃ困るよね。





雑渡？｢……ふぅ 時間もいい頃だし組手は途中だが私は退散させてもらおうかな。｣


『……あら、そうですか お気を付けて。』((ﾆｺｯ





私と目が合ったからだろうか 退散しようとする偽物さん。

指示が出たのだろう 茂みに人の気配がするのが分かる。





紬｢はぁ！！？自分から吹っ掛けて逃げるつもりぃー？？？｣


雑渡？｢休戦 というやつだ。｣((ｼｭﾝｯ


〜〜｢あ〜！！卑怯者〜！！｣





偽物さんは 私の後輩達に文句を言われながらも

一瞬でその場から去っていった。





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諸泉｢……只今戻りました。｣


諸泉｢組手の出来は上々 変装に気づいた様子はありませんでした。｣


雑渡｢……それは嘘だね｣


諸泉｢え｣





屋根の上でオネエ座りをする 雑渡の横に

サッと現れた 諸泉が報告をする。






雑渡｢君と組手してる時 あの子はこちらへ気づき私を見た。｣


諸泉｢え、そ、そんな仕草は一度も！！｣


雑渡｢君と私の違う所に気づき 考え結論を出したんだ。｣





二人は 椎堂 Aの恐ろしさに気づいたみたい。

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