___檻の中で舞う蝶___【参】

___ピリついた___ ページ23

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私は 雑渡さんの居る方へ振り向き

笑顔で問いをする。





『……それで 今まで私の事を見ていましたけど 何用でしょうか。』((ﾆｺｯ


雑渡｢わぁ 流石だね。｣


『……。』





バレるように仕向けてた癖によう言うよ。

あれだったら上級生なら誰でも気づくであろう。





〜〜｢ずっと見てたって えぇ……｣


トモミ｢それはちょっと……｣


雑渡｢誤解だよ 変な考えはよしてくれ。｣





またもや胡散臭い笑顔をする 雑渡さん。

なんで私なんかに関わるのだろうか。

それにしても 今日の雑渡さんは少し変だ。





雑渡｢それでさ 組手の相手してあげようか？Aちゃん。｣


ユキ｢何であんたみたいなやつにー！！！｣


紬｢そうだ！！先輩としたいなら私を倒してからだっ！！？｣


〜〜｢ちょ、ユキ 紬、落ち着きなさいって！｣


ユキ｢〜〜先輩 でも！？｣





私の前に出て 分かりやすく威嚇する

ユキちゃんと紬さん。

雑渡さんは……相変わらずニコニコしている。





『……これから少し休憩しようと思ってて……後輩達の怪我してる所も見なくてはですし__』


雑渡｢あ〜 そっか〜 怖いんだね。｣


『……』





何故か訳の分からない事を言う 曲者さん。

今日は何時もより攻撃的だ 月の物でも来たのだろうか。

あ、男だから来ないか。





紬｢はぁ？？？私達に気を使ってくれてるだけなのに！！？｣


ユキ｢A先輩！！やっつけちゃって下さい！！？｣


『……そうですね ここまで言われてしまったら私も黙って居られませんしね。』


雑渡｢いいね〜 それでこそだよ。｣





あー 雑渡さんとは表上良い関係きづいてたと思ったのに。

何がしたいんだろう ニヤニヤして。





雑渡｢そっちから来なよ〜｣


『あら、そちらから来られないんですか？』((ﾆｺｯ





少し距離を取り 二人共向き合う。

両者一歩も動かず 相手の動きを観察している。

少し ピリついた雰囲気が流れた。





ビュンッ





『……』((ｽｯ


雑渡｢……｣





最初に動き出したのは 雑渡さんだった。

一瞬で距離を詰め 彼は回し蹴りを叩き込む。

私はそれを避け 一歩後ろへ下がり

緩急をつけ 距離を詰め 回し蹴りをお返しする。





雑渡｢おー やるねぇ。｣


『……それはどうも。』((ﾆｺｯ





片手で足を止めながら感想を言う彼。

本気でやらないという事は分かっていたけど

なんかムカつくよね。

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