時計の針が止まるとき【地/縛/少/年/花/子/く/ん】

お願い ページ26

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私が寝室から帰ってくると、
普くんは私の目を見た。

「中野、お願いしてもいい？」

前にもこんなことあったっけ。
確か、夏祭りの帰り。
私が、彼にお願いして……
立場逆転、って言うのかな。これ。

「ギュッてしていい？」

確か私は、手を繋ぎたい。だったっけ。
密着度の高いお願いに、私は赤面する。
嫌だったらいいけど。
そう言われたら、余計に引き下がれないって。
知ってて言ってるのかな。
利用されてるみたいで悔しいけど、
知っててくれてるなら、嬉しいな。

「……いいよ」

彼が立ちあがって、私が手を広げて。
彼が私の胸の中に、飛び込んできた。
勢い余って、転びそうになってしまう。
いつもは意識してないけれど、
やっぱり、男の子なんだな。
身長は同じくらいなのに、
肩幅も、彼の方が広いし、所々骨張ってて。
前に私が抱きついた時は、
自分のことで、いっぱいいっぱいだったからな。

「もう嫌だ……」

消え入りそうな声で、彼は言った。
彼が弱音を吐くのは、初めての事で。
ずっと我慢していた、そう私は解釈して、
腕を彼の背中に回した。

「ねぇ、中野。嫌な事から、逃げてもいいの？」

彼は、身体を痛めつけられることが、
もう耐えきれないのかもしれない。
他にも理由はあるのかもしれないが、
私には、それしか思いつかなかった。
僅か一つのとっかかりを除いて。

「普くんの好きにしたらいいんだよ」

逃げるということは、
反抗でもするつもりだろうか。
それには勇気がいるはずだから、
私は後押ししたかった。
それに、彼を否定してしまったら、
彼が壊れてしまう気がしたから。

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今思えば。

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あそびあそばせって
アニメ見てるんですけど、
面白いですね！

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