もしもの話【地/縛/少/年/花/子/く/ん】 (ページ21)

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それぞれの思い二ページ21

「あまねー。夏祭りいこーよー」

約束の時間も近づき、そろそろ行こうかと準備をし始めた頃だ。
つかさが俺の足を掴み、ぐずり出したのは。

「俺、約束あるから」

と強引に足を払い、服をいくつか取り出し吟味する。
今日は結構暑いからこれにしようかな？
とひとつの服を取った。

「なんでよー。そんなの断ればいーじゃん」

と四肢をばたつかせ、言う。
今日の用事は断れないんだよ。と選んだ服に着替える。
エーと俺の顔を真っ直ぐに見つめる。

「デート？」

相変わらず歯に布着せず、直球にそういう。
少しくらい行間を読んでもらいたい。

「そーだよ」

へへ。と俺は笑った。
スマートフォンをバイブが鳴らした。
ヤシロからかな？と興奮気味に開くと、
それは源からだった。
そのメッセージに思わず頬を緩ませると、
俺は部屋から出た。
そんな俺を呼び止めるように、つかさはこう言った。

「いいもん。……俺サクラと行くから」

とスマートフォンをスイスイっと慣れたように操作すると、
俺に向かって手を振った。

「行ってくるね」