もしもの話【地/縛/少/年/花/子/く/ん】 (ページ14)

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そうかもねページ14

「寧々ちゃん！
柚木くんとどういう関係なの？」

登校してすぐに葵に問い詰められる。
そういや、昨日夏祭りの話をしたっけ。
昨日の事なのに、もう随分昔のことに感じる。

「あまねくんは、ただの友達だよ」

そうであれば良いと思った訳では無い。
期待すると、痛い目にあう。
私は高等部に入ってすぐ、先輩に振られたことを思い出した。

「いつの間にあまねくんって呼んでるの？
昨日何かあったんでしょ」

確かにあった。
いきなり私を呼び捨てで呼んだり、家に誘ったり。
私が帰るのを引き止めたり、私を家から追い返したり。
一部を抜き取ると、それは好意に感じられるが、
そのまた一部は、好意のこの字も感じられない。

「うん。昨日はあまねくんの家行ったんだ」

昨日から、私の頭をぐるぐる回るあの言葉。

『つかさとばっかり喋って……
どうせヤシロもつかさみたいなのが』

この言葉の後は容易に想像出来た。
────どうせヤシロもつかさみたいなのが好きなんでしょ。
もし私の予想どおりであれば、
あまねくんは、やきもちを焼いた？

「それにしても……
二人で夏祭りなんて！
そんなの絶対告白されちゃうんだから！」

と葵はまるで自分の事のように、楽しげに言う。
確かに、今までは考えもしなかった。
何故あまねくんが、私を誘ったのか。

「嘘でしょ……」

いくらなんでも、好意を持っていない人とは、
一緒に夏祭りなんか行かないはずだ。