もしもの話【地/縛/少/年/花/子/く/ん】 (ページ2)

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夏休み前ページ2

「もうすぐ、夏休みかー」

と、伸びをしながら言う柚木君。
期末テストも終わり、残すはほんの少し。
楽しそうに言う柚木君は、私と隣の席。

「そうだね。
バスケ部は忙しいでしょ？」

と、私が聞くと、先程の態度とは打って変わって、
はあ。とため息をつく。

「ほとんど毎日あるんだよ……
宿題も早く終わらせないといけないし」

ユウウツだよ。と項垂れた。
あ、そーだ。と顔を近づけてくる。

「そーいや、源センパイとは上手くいったの？」

声を潜めて耳打ちする柚木君。
いきなりのその話題に、体温が上昇する。

「な、な、なんでその事を？」

やっぱホントなんだね。と笑う。

「……振られちゃったよ。
好きな人がいるんだってさ」

ふーん。と興味なさげに言うその横顔の、
口角が心做しか上がっているような気がして。

「じゃあヒマだよね？」

ガサゴソとカバンを漁る。
そしてくちゃくちゃになった紙を取り出した。

「一緒に夏祭り行こ？」

空いてたら、だけど。
まだ葵から誘われていなかったし、
その日は予定がない。

「いいよ」

やっりぃ。楽しみ。と、
柚木君は、目を細めて人懐っこく笑った。

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最初は陸上部だったんですよ……
でもなんか違うってなって変えました！