合作短編集第二弾！【地/縛/少/年/花/子/く/ん】

宝石の涙と桜@秋アキ音 ページ3

ー花子ー


それは、そう
特に何てことのない、普通のありきたりな日々のうちの１つに過ぎないような

そんな日の夜だった




下校時間も過ぎてヤシロも少年も帰っちゃったから
することもないし、土籠のいる理科準備室に遊びに行った



ｶﾞﾗｯ

「つっちごーもりー遊びにきた...よ.....?」


「っ...!なな、番...様....」



窓を開けてその縁に足をのせて座っていた土籠は泣いていた?
?がついちゃうのは土籠の目から溢れてるのが、『涙』じゃなかったから



「土籠...何、それ」

「....」


土籠の目から溢れてる『ソレ』は床に落ちてパラパラと音をたてた

キラキラ光る色とりどりの『ソレ』はどう見たって宝石だった


「答えてよ土籠！！なんで泣いてるのに涙じゃなくて宝石がでてるのさ!!!」

「...涙石病(ﾙｲｾｷﾋﾞｮｳ)」


「?」

窓のところから離れて、床に溢れた宝石をあつめて手でもてあそびながら
ルイせき病?がなんなのかを教えてくれた





「涙石病
別名:宝石の涙

目から涙じゃなくて石...もしくは宝石等がでてくる一種の奇病。
原因は今のところ解明させれてなく
なかなか難しい条件でしか治らない
治る確率は多く見積もっても0.00021396%
条件の難しさもあるがな


ま、治ったとしてもほぼ100%の確率で後遺症が残るらしい


ほっておけば悪化して、最悪死に至る」





すらすらと何でもないような声色で喋る土籠

なんだよ...最悪死に至るって...


「なんで言わなかったんだよ!!?」

「心配かけたくなかった...と、いえばそれはただの俺のエゴとしか言えねぇか...
ま、でもこれは俺の問題ってことで割りきってたもんですから」



なんだよそれ...
自分の問題とか、じゃなくって、俺達は、
七不思議で、仲間なんだから頼ってくれたって良いじゃん
なんでっ....!


「......あのさ、土籠」


「!......はい」

「おれ、さ
まだまだガキだし、土籠みたいに大人じゃないからあれかもしんないけど
一応さ、俺七不思議のリーダーなんだからさ、
そーゆー１人で何でも抱え込んでどうにかしようとすんの?やめてよ



もっと、周り頼ってよ」






帽子を深くかぶって下を向いたからわかんないけど、土籠が息を飲む、小さな音だけは
はっきり聞こえた

するとポン、と頭の上に細長くて少し骨ばった手が置かれた
顔をあげると気まずそうに目を反らした土籠が見えるもう、涙はとまってた



「その...すいませんでしたねぇ...迷惑かける訳にはと思ったんで..」
「そう思うなら治そうよ」

そう言うと土籠はいやぁ..と言葉を濁した



つづく...?

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