不思議な夢 終 ページ18
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泡沫の弾けた様な 不思議な気持ちで僕は目を覚ました
目を開けると、そこは古臭い、暗くじめっぽい放送室
思い頭を起こして、ぼーっと考える
「……なんだろう」
今見た夢を思い出せない
まるで水面が揺らいだかのように、霞が隠してしまったかの様にさっき見たはずの夢がぼやいでいく
でも
“___忘れないでね”
その言葉だけははっきりと頭に残っていた
「ミーツバ!」
ばぁ!と上からぶら下がるようにつかさが顔を覗かせた
いつもなら驚くのだが、寝起きだったからなのか全く驚くことはなかった
むしろどっかでおんなじような事があったような気がする。デジャヴ
「ん?なんか今日反応うっすいね!どうしたの?」
「え?……あぁ、なんだろうね。寝起きだからかな」
フヨフヨとあぐらをかきながら浮いてるつかさに適当に相槌を打つ
そうこうしているうちに、何を見ていたのか分からない
もうさっきの夢を思い出すことは不可能だった
「…あのさ、僕、生きてた時どんな事があったんだろう」
思わずそう呟くと、つかさがピクリと動きを止めた
食い入る様に僕を見る目は、ものを壊す時の眼だった
真っ黒な、何を考えてるのか分からない怖い目
その目に怖気づいて、「…やっぱ何でもない…っ!」と手を振る
そういうと、つかさはにぱっ!と笑った
「死 ぬ前のことなんてカンケー無いじゃん!もう死 んでるのにサー!ミツバったらおかしーの!」
「そ、そうだよね…もう死 んでるのに、今生きてたときの事なんて…」
そこまで言って言葉が詰まった
“本当にそう思ってる?”
僕の中で何かが囁いた気がして
さっき見た不思議な夢が、何処か開かない引き出しにあるような気がして
…僕はこの夢を忘れてはいけなかったような気がして
そんな気持ちが、僕を引き止めたんだと思う
記憶を無くした僕への 底無しの言霊
◊◊◊◊◊◊◊
怪異というのは、少しの弾みで心が不安定になっちゃう
それは昔の友達が居た事とか、何かの言葉だったりとか いろいろ
だからといって僕は友達ができないのはおかしいと思ってた
だって、やっぱりそれぞれがそれぞれの生活を持ってて、それでもわかり会えるのが“友達”って奴なんだって、最初の子に言われた
だから僕もそう思ってた
だけどみんな居なくなっちゃった
僕の目の前で、僕のすぐそばで 居なった
だから僕は、君だけは守りたかったんだよ
大事な僕の友達
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花っち♪ - わたしも参加したいです! (2019年9月9日 20時) (レス) id: a210479166 (このIDを非表示/違反報告)
エユ(このみ☆)(プロフ) - わたあめメンタルさん» 合作のことでしたら、いつでも参加OKですよ!参加したいのでしたら、レスをください。パスワードをお教えします。上から目線&合作主催者様じゃなくてすみません! (2019年4月1日 17時) (レス) id: 565c3a754b (このIDを非表示/違反報告)
わたあめメンタル - いいなぁ私も参加したかったぁっ…… (2019年4月1日 17時) (レス) id: 76c937fda4 (このIDを非表示/違反報告)
エユ(このみ☆)(プロフ) - 白夜の幻想者さん» Gファンタジー…近くの書店で売ってないんですよね…(泣)漫画が出るのを大人しく待ちます… (2019年3月19日 20時) (レス) id: 565c3a754b (このIDを非表示/違反報告)
白夜の幻想者 - みゃのさんさん» ですね!!今日Gファンタジー買いました! (2019年3月18日 22時) (レス) id: 55b7b486eb (このIDを非表示/違反報告)
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