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第58話 絶望的な報告 ページ33

『なぁに?何かあったの?』





国木田が息を飲んで、それから言葉を恐る恐る口にした。







「太宰が______拐かされました」




『……………………………え』






やっと出た言葉は一言の驚愕だった。
まさか、まさかね。
ありえないよ。あのダザイ君だよ?







『まだ入社試験が続いてたの?』



「違います。本当に、朝から太宰がいないのです」



『きっとサボってその辺りを歩いてるんだ』



「捜索して見ましたが何処にもいません。
GPSにも反応がありません」



『ねぇ、やめてよ。嘘って言って』









「すみません。これは事実です」





国木田の言葉が深く刺さった。
冷たい、痛い。
本当に?本当、え。


それならダザイ君は今____________






「朝から太宰治の行方が分からず、マスターキーで部屋に入った所、メッセージカードが一枚置かれているだけでした」





『なんて書いてあった』




自分の声が一層低いことすらも分からなくなるほど、頭の中は混乱し、
早く助けださなきゃ、という思いと
最悪の場合を考えてしまっている自分がいる。





「アナタの大事な6番目は頂きます。
あの時の悪夢への復讐だけが、
ボクの生存理由(レゾンデートル)


迷える犬達(ストレイドッグス)の逸れ者のボクを、思い出してくださることを、願います」







その言葉と同時に走り出した。
この言葉使いがやけにボクとにていて、
あの時の悪夢の実現、ということに最悪の方に意識が向く。





「っ、津島さん!?つしまさ」




乱暴に電源を切って、
マフィアを大急ぎで抜けた。






ボクの後ろにそびえる城のような扉の向こうで






とある男だけは
笑っていた__________________

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NamE.薆(プロフ) - 時雨零さん» わかります!太宰さんの心情を書く時は度々お世話になってるんです! (2017年6月3日 10時) (レス) id: 71af860354 (このIDを非表示/違反報告)
時雨零(プロフ) - とても楽しみにしています、この小説にとても痛い痛がりたいと言う曲が合ってるなーと思いました (2017年6月3日 7時) (レス) id: 7585b82a1c (このIDを非表示/違反報告)
NamE.薆(プロフ) - 夢さん» 外伝の方にたくさんお願いしますね (2017年6月1日 21時) (レス) id: 71af860354 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続編ありがとうございます(泣) (2017年6月1日 21時) (レス) id: 70dae8966d (このIDを非表示/違反報告)
- わわ、続編出るんですか・・・!せっ、正座待機して待ってます・・・!リクエストはどれにしようか迷いすぎて決められない・・ッ (2017年6月1日 20時) (レス) id: 49815f1b74 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:NamE.薆 | 作成日時:2017年5月21日 17時

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