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第32話 こんなキャラ ページ3

街を巡り歩いて、早数分。




私行きつけの本屋が見えて来た。





『ダザイ君はなにを買うつもりだったんだい?』



「私は、新しい本を」



『君、本以外に好きなものないの?』



「えっと、蟹は、好きです」



『欲しいものとして』



「…………えっと」





しばらく考え込んでもなにも出てこない。
暇だったから本を読んでて、飽きたから新しいのを買う。それだけ。
暇を埋めるための人間の奥底の欲求のようなもので、私が心の底から欲しがっているのは、



ただ一つの、生のシンボルである死のみ。




しかし、そんなこと言えるわけもなくなにも思い浮かばないまま目的の店へとついてしまった。




『んー、ボクも一応入ってみようかな』



そう言いながらさっさと店に入ってしまう。
今日はやけに行動力があるなぁ、と思いながら後を追って中にはいる。




店内は入り口が開いている仕組みで、
毎週新しい本がでていたり、
数少ない店員と店長が調べ上げたオススメの本や、ジャンル別の新作、気分によって読みたい本ランキング、など客からの受けがとても良い。
最近雑誌に載ったと店長が嬉しそうに言っていたのを思い出しながら客の多い店内で店員を探した。




「あ、太宰さん」



奥から女の店員が駆けてきた。
最近知り合った子でバイト中らしい。



「やぁ、陽毬ちゃん。最近どうだい?」




「太宰さんのアドバイスのおかげでなんとかなりそうです」




「そうかい。それは良かった、ところで」





「わた『ボクに合いそうな本を選んで欲しいな』





台詞が。
何故かぬっと、横から入ってきた津島さんに驚きつつも少し避ける。





「え、えっと……」




『ボクはダザイ君の友人の津島さ。よろしく陽毬さん』




「あ、はぃ。こちらこそ」




なぜかちゃっかり仲良くなってる。
これだけ見ると女同士とは思えない。
完全に男女だ。
スーツの男性とスカートをはいた若い女性。




「え!?女のひとなんですか!?」



『うん、ごめんね』



「いいえ!!逆にとてもいいです!!!」



『え?』



すると陽毬ちゃんの目に僅かながら炎が灯った。




「ということは男装系女子ということですね!しかも太宰君という呼び方ということは親しい間柄だということ!しかも、太宰さんよりも立場は上!
最高の組み合わせ!!!


包帯イケメンと男装系女子の恋物語
____________ヒットの予感がする!!!」






そうだった。
この子こんなキャラだった。

第33話 隠れファン→←第31話 そうだ本を買おう。



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NamE.薆(プロフ) - 時雨零さん» わかります!太宰さんの心情を書く時は度々お世話になってるんです! (2017年6月3日 10時) (レス) id: 71af860354 (このIDを非表示/違反報告)
時雨零(プロフ) - とても楽しみにしています、この小説にとても痛い痛がりたいと言う曲が合ってるなーと思いました (2017年6月3日 7時) (レス) id: 7585b82a1c (このIDを非表示/違反報告)
NamE.薆(プロフ) - 夢さん» 外伝の方にたくさんお願いしますね (2017年6月1日 21時) (レス) id: 71af860354 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続編ありがとうございます(泣) (2017年6月1日 21時) (レス) id: 70dae8966d (このIDを非表示/違反報告)
- わわ、続編出るんですか・・・!せっ、正座待機して待ってます・・・!リクエストはどれにしようか迷いすぎて決められない・・ッ (2017年6月1日 20時) (レス) id: 49815f1b74 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:NamE.薆 | 作成日時:2017年5月21日 17時

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