第47話 ピュアと本心は同一人物 ページ20
『ごめんなさい』
深々と頭を下げる津島さんを見つめる。
少しだけ良い気分がするのを、置いておくわけにはいかない。
これが私の本心。
謝罪している姿を見て清々しく思うのも、
死を悔やむ姿を見て驚くのも、
子供のように泣く姿をほっとけないと思うのも、
この人を
変わって来ている過去の人を
これからも見ていたいと思うのも、
きっと、本心。
「いいですよ」
顔を上げた時に少し溢れた水。
涙に溜まっていた大粒の涙を拭って、そっと笑う。
「お互い、悪かったんです。これで喧嘩両成敗。仲直り、しませんか」
『仲、直り…………』
手を差し出せば、震えた手でそれを取ってくれる。握る手に力がこもる。
「でも、まだ全部許したわけではないです。
私にも傷はある。多分、もう消えない傷が。
それでも、今は仲直りです。
これから、も、よろしくっていうことで」
言っててだんだん恥ずかしくなって来て、
最後は片言になってしまった。
『っぷっふ……あっはははっ!
やっぱり、ダザイ君は可愛いや』
すっかりいつもの調子に戻った津島さんを見ながら、少し安心する。
「笑ってる顔………ちょっと良いです」
そう言えば、
『そう?ありがと』
顔を少し赤くして笑った。
ズキっ、
また。痛んだ。
でも、
「あったかい」
痛みがあったかいなんて、
私はとうとうおかしくなったのだろうか。
『あ、ダザイ君』
「っはい、津島さん」
振り向けば、柔らかい感触が頬に当たった。
『また明日。探偵社で』
そしてリビングの扉を開けて何処かへと消え去ってしまった。
頬に当たった、柔らかい感触。
ふにって、してて、あったかくて、
「キス……………された、っ」
頬を抑えながらその場にしゃがみこむ。
体が熱い、また、クラクラしてくる。
「本当、おかしくなりそう」
こんなに女性経験がなかったかどうかも怪しくなって来た。
何故、この人のキスは熱くなるのか。
何故、あの人が他の人といたら苦しくなるのか。
何故、頭からあの人の顔が離れないのか。
「わけ、わかんない」
ほんと、わけわかんない。
ーーーーーーーーーー
50話突破しそうなので、
記念話書きます。
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中也さんとの話もOKです。
次の話でやっと中也さん出せるので。
よろしくお願いします。
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NamE.薆(プロフ) - 時雨零さん» わかります!太宰さんの心情を書く時は度々お世話になってるんです! (2017年6月3日 10時) (レス) id: 71af860354 (このIDを非表示/違反報告)
時雨零(プロフ) - とても楽しみにしています、この小説にとても痛い痛がりたいと言う曲が合ってるなーと思いました (2017年6月3日 7時) (レス) id: 7585b82a1c (このIDを非表示/違反報告)
NamE.薆(プロフ) - 夢さん» 外伝の方にたくさんお願いしますね (2017年6月1日 21時) (レス) id: 71af860354 (このIDを非表示/違反報告)
和(プロフ) - 続編ありがとうございます(泣) (2017年6月1日 21時) (レス) id: 70dae8966d (このIDを非表示/違反報告)
夢 - わわ、続編出るんですか・・・!せっ、正座待機して待ってます・・・!リクエストはどれにしようか迷いすぎて決められない・・ッ (2017年6月1日 20時) (レス) id: 49815f1b74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:NamE.薆 | 作成日時:2017年5月21日 17時