第41話 わんわんお ページ13
「僕だって、仲間なんですよ」
その声で心が溢れた。
涙が止まった感覚がした。
仲間_____________________
仲間なんて初めて言われた。
今まで、全然わからなかったことがなんとなく解けていくような感じがして。
心地よくて、嬉しくて
『ぅっ、う……あり、が、とうっ』
また、涙が溢れてきて
それでも敦くんは、ボクの背中をさすりながら、話をずっと聞いてくれた。
仲間って、こんなに良いものだったって、
ダザイ君がいなければ気づけなかった。
ー
ーー
ーーー
ーーーー
「あの、そろそろ僕の話もいいですか?」
『っ、ふ………えっと、いいよ』
と、やっと僕の本題に入れた。
僕は未だずっと下に隠してあった、あるケージを取り出した。
『なにこれ』
「実は」
僕の家に最近住み着き、鏡花ちゃんを追い出しかねないその人物。
「ワンワンっ!!!」
「家に住み着きました。わんこです」
早一週間、僕の家に犬が来てしまって最近は鏡花ちゃんが犬を怖がって、朝食を作れなくなって来たので、ある意味身内依頼をして来たのだ。
『わぁ!!!犬だぁ!!!』
すんごい喜んでる。
太宰さんとの関係から行くと猫好き、犬嫌いかと思ったのに。
「この犬、飼手がいなくて。よかっから飼ってもらえませんか?」
『うん、いいよ。ボクの家、広いから』
「羨ましいです」
そんなほんわかトークをしながら、さらっとケージを津島さんに渡した。
「お願いします」
ケージの中にいるのはゴールデンレトリーバー?という種類の犬の子供状態らしい。
現在1歳半。
大きくなる時なので僕の家では無理なのだ。
『うん、ありがとね』
嬉しそうに受け取りながら、
赤い目をこすって、津島さんが笑った。
「あの、もしよかったらですけど、
津島さんのこと、名前で呼んでもいいですか」
『………ごめん、無理かも』
「僕に名前を呼ばれるの、嫌ですよね」
『嫌ではないけど、ボクはあんまり人に名前を呼ばれたくなくてね』
そういった津島さんの顔が少し曇った。
『そろそろ行かなきゃ』
「何か用事でも?」
聞くと、津島さんが笑って
『いやぁ________家の猫ちゃんに説得ついでに教えておくことがあるからさ』
と言った。
太宰さんはまた何かされるんだろうな、
と思いながら、
星が多くなった夜を窓から眺めた。
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NamE.薆(プロフ) - 時雨零さん» わかります!太宰さんの心情を書く時は度々お世話になってるんです! (2017年6月3日 10時) (レス) id: 71af860354 (このIDを非表示/違反報告)
時雨零(プロフ) - とても楽しみにしています、この小説にとても痛い痛がりたいと言う曲が合ってるなーと思いました (2017年6月3日 7時) (レス) id: 7585b82a1c (このIDを非表示/違反報告)
NamE.薆(プロフ) - 夢さん» 外伝の方にたくさんお願いしますね (2017年6月1日 21時) (レス) id: 71af860354 (このIDを非表示/違反報告)
和(プロフ) - 続編ありがとうございます(泣) (2017年6月1日 21時) (レス) id: 70dae8966d (このIDを非表示/違反報告)
夢 - わわ、続編出るんですか・・・!せっ、正座待機して待ってます・・・!リクエストはどれにしようか迷いすぎて決められない・・ッ (2017年6月1日 20時) (レス) id: 49815f1b74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:NamE.薆 | 作成日時:2017年5月21日 17時