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第31話 そうだ本を買おう。 ページ2

「ひま」



ここは武装探偵社。
荒事や厄介ごとを引き受ける軍警に頼られる民間探偵事務所。



そんな探偵社は現在とてつもなく暇をしていた。



厄介ごとが毎日起こったらそれはそれで駄目だと思うがこうも事件がないと暇になるのだ。


国木田君は社の備品整理と買い物へ、
与謝野医師は先ほど帰って来た谷崎君を解剖(治療)中、
乱歩さんは東北で難事件の解決と温泉旅行。




其々がやることをやっている中で、
留守番やら警備やらを理由として探偵社に取り残されたのが私_________太宰治だ。




社にあるソファに寝転がりながら愛書を読んでいるが内容も一文まで暗記した本だ。
敦君には前に「何度読んでも飽きない」とかなんとか言ったけど、さすがに飽きる。


もう100回は読んだ気がするし。





そう思い、何か新しい本でも買いに行こうと思い、立ち上がった。




「あれ、太宰さん、どこ行くんですか?」



「ちょっと買い物」




『偶然だねぇダザイ君、ボクも買い物をしようと思っていたんだ』




その声に背筋をビクリと震わせた。
そっと振り向くと、眼鏡を押し上げながら笑っている_________津島Aさんがいた。




「お、おはよぅ………ございます」



『おはようダザイ君、敦くんも』



「なにしてたんですか?今まで。もう12時になりますけど」




そう聞かれると申し訳なさそうに頭を描きながら小声で「ちょっと猫が泣いちゃってね」と言った。そのあとチラッと私と目を合わせて来た。






昨日泣いていたのは




《ボクは、あの時のことを謝りたい》



《_________大好き》





「泣いてたのは、そっちのくせに」




突然足が痛んだ。
見ると津島さんが「躓いちゃった」とか言いながら思いっきり私の足を踏んでいる。
ボソッと呟いたつもりなのに聞こえていたようで、「すみません」と呟くとやっと足をどけてくれた。




「?……それじゃあ買い物、お気をつけて」



そう言い残すと敦君はスタスタと数少ない仕事に戻ってしまった。




『それじゃあ、行こっか』




「っ、ぅ……はい」




津島さんが先導して扉を開け、
外へと歩き出した。
その後ろを歩きながら、私と同じくらいの身長を見つめる。




この人は声も低いし性格も酷いし女とは思えない所がたくさんある。





この人に、本当に女らしさがあるのか心配になりながら、早々と行ってしまう津島さんを駆け足で追いかけた。

第32話 こんなキャラ→←設定



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NamE.薆(プロフ) - 時雨零さん» わかります!太宰さんの心情を書く時は度々お世話になってるんです! (2017年6月3日 10時) (レス) id: 71af860354 (このIDを非表示/違反報告)
時雨零(プロフ) - とても楽しみにしています、この小説にとても痛い痛がりたいと言う曲が合ってるなーと思いました (2017年6月3日 7時) (レス) id: 7585b82a1c (このIDを非表示/違反報告)
NamE.薆(プロフ) - 夢さん» 外伝の方にたくさんお願いしますね (2017年6月1日 21時) (レス) id: 71af860354 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続編ありがとうございます(泣) (2017年6月1日 21時) (レス) id: 70dae8966d (このIDを非表示/違反報告)
- わわ、続編出るんですか・・・!せっ、正座待機して待ってます・・・!リクエストはどれにしようか迷いすぎて決められない・・ッ (2017年6月1日 20時) (レス) id: 49815f1b74 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:NamE.薆 | 作成日時:2017年5月21日 17時

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