25、救出 ページ26
扉が爆発によって弾き飛ばされる。
爆豪が爆発の風圧で室内にとび入ると、部屋の真ん中に切島が暴れ気味で固定されていた。
コンクリートのようなもので固定されている切島が何かを伝えるように声にならない声で叫んでいる。
「あ?」
『爆豪!床だ!!!』
爆豪が床に向けて爆撃すると丁度手が伸びてきており爆撃にあたりすっと引っ込められた。
福使が踏み込み、そっと部屋を見回す。一面がコンクリート。情報によるとコンクリートと同化する個性を持つ。
『……まずは、切島だ』
福使が切島に絡まっていたコンクリートに触れる。すると、手から汗が染みてコンクリートに付着した。
『複合、爆破+スピア______スピア爆撃』
コンクリートが爆発しすぐに硬化した切島が逃げ出す。爆豪がそれを片手で支えると、床の方からボコりと音がしてまた手が這い出てきた。
『遠爆破!』
手に槍が突き刺さり、爆発する。
紫煙に目が眩むのをこらえながら、切島と爆豪を探す。
「逃すか!!」
しわがれた敵の声。それは確かに福使の後ろから聞こえてきていた。
(不味いっ!!)
「退けぇっ!!!」
爆豪の爆撃でまた紫煙が立ち上る。爆破は確かに敵を捉えており、福使の真後ろにいた敵が一瞬にして壁まで飛ばされた。
『爆豪……』
「ノロノロすんなよ、武士女」
苛立ったように唾を吐く爆豪が敵を見据える。
助けられた福使が少しふらつきながら立ち上がった。
「危ねぇぞ、下がって……」
『いい。大丈夫だ。それより、個性借りていい?』
「…いいぜ。使ってくれ」
切島が許可し、福使の手を触れた。
福祉は手を離し、重ね合わせてパンッと打ち鳴らす。
『複合、爆破+硬化______硬爆破』
睨むような目つきでじっと部屋を見つめる。
何かを追うようにして動く目が突然閉じられた。
『切島、爆豪に伝えて。部屋中を駆け廻れって』
切島にそう告げると福使が部屋を時計回りに走り始めた。爆豪がはぁ?と呟いたが切島の伝言を聞いて納得したように同じく駆け出し始めた。
切島は右往左往しながら同じように駆け出す。
「これ、何やってんだ!?」
「いいから走れクソ髪!!」
『もう少しで……多分』
福使がそう呟いた途端、床から大量の腕が伸び走る三人を捕らえようと伸びた。
それを見て爆豪は楽しそうに笑った。
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作者名:NamE.薆 | 作成日時:2017年11月25日 21時