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15、かっこいい ページ16

各々がコスチュームを持って更衣室に向かう。
男子更衣室と女子更衣室は隣であり、何かと声が聞こえてくる。男子はそれが楽しみで女子はあまり気にしていない。




「女子の方っていっつも楽しそうだよな」




上鳴が呟くと何人かの男子が、だよなー、と声を漏らす。思春期の男子高校生。
覗きたくなるのもあるがそんな穴は都合よく存在していない。むさ苦しい男のたまり場で着替える。




「緑谷君。君は体操着なのかい?」




「え、嗚呼うん。ユニフォームは修復してもらってるから、取り敢えずは体育着でやるよ」




「体育着も燃やしてやろうか?あぁん?」




「いややややや!!!流石にダメだよかっちゃん!」




一方その頃女子更衣室。
こちらも同様に男子はいつも賑やかだとは思っているが騒がしいと思う人もいるようだった。




「全く。壁一枚で隔てられただけの空間でどうしてこうも大きな声で話しができるのかしら」



「でもこういうの好きだ、私!」



皆がコスチュームに着替える中、福使の隣で着替えていたイヤホンジャックの女子、響香がふとある部分を見つめて恥じらうように顔を赤くした。




「……成長良すぎじゃない?」




『……そうでもない。普通だ』




「……………ははっ」




君が普通なら私は何だよ、という心の声が聞こえてきそうだが響香はぐっと堪えた。
スタイルの映える動きやすいズボンに、大ぶりのベルトをつけてそこに刀を差し込む。
腰の周りの三本の刀を隠すように白衣を着込む。
赤いネクタイを締めて、髪をもう一度結び直す。白い布地で髪ゴムを隠すように巻いてから、長さを調整して刀に触れた。
すると黒髪の一節が赤く染まる。
月のように淡く、血のように赤い一節が揺れ動いて、いち早く着替えを済ませた福使が扉を開けて出て行った。





「かっこいい」



麗日の口から溢れでた言葉に女子全員が頷いた。




「うぅ、目立つ…….っ。欠けてる部分が目立つ」



「大丈夫だよ、響香ちゃん!!」



「……………」




励まそうとした麗日のコスチュームに響香はもはや勝機を失った。虚ろな目で、うんそうだね、と呟いて更衣室を出て行った。




「あはは、後で謝らなきゃ」



「終わったわ。行きましょ、八百万ちゃん」



「わかりましたわ、梅雨さん」



「梅雨ちゃんと呼んで?」




次に次にと更衣室を出て行く女子たち。
戻って男子たちは、爆豪の暑苦しい爆発を必死の思いで逃げ回っていたそうな。

16、バス→←14、コスチューム



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作者名:NamE.薆 | 作成日時:2017年11月25日 21時

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