12、誰 ページ13
『先生方はどちらだと思われますか』
急に福使が全員に聞いた。
校長先生はすべての意見の代表のように答えた。
「唆した者がいるね。邪な者が入り込んだか、もしくは宣戦布告の腹積もりか……」
『または、その両方という可能性もあります。邪な者が宣戦布告のためにこうして仕掛けを封じた。教師やヒーロー達にばれることを前提に仕掛けたような感じを見ると、宣戦布告という説にもつながりますし、結果的にマスコミに手助けをしたということにもなりえます』
分析を始め校長と共に状況から考えられることを話し合っている。
ミッドナイトはわけもわからず首を傾げて、隣の小さな老婦人、リカバリーガールに話しかけた。
「ねぇ、あの生徒誰なの?校長の知り合い?」
「私も知らない顔だね。何処と無く似る節はあるが、革新的じゃない」
「?」
ミッドナイトはまた首を傾げた。
すると話し合いが終わったようで、校長先生がミッドナイト達に向き合った。
「今のところはこれを移動させれば復旧の見込みはあるから取り敢えずみんなでこれを寄せよう。
誰が何の目的でこんなことをしたのか、それは後で教員会議で決めることにして、まずは目の前のことからやるんだ」
校長の指示で四人は動き出した。
土砂は軽く細かいもので機械の故障か破壊を狙っていた説も浮上していたが、後々に通りかかった13号により塵ひとつ残らない、綺麗で有能な雄英バリアーが復活した。
「細かいもので塞いでたあたり、この設備を理解していたのですかね」
「それはない。ここの設備の詳しい情報を知っているのは教師と設計者だけだ。
設計者のヒーローも我々と共に教師をやってるから味方が敵に情報を流していた説も薄い」
「となると……潜入や宣戦布告を試みていたヴィランは相当頭がいいらしいわね」
教師がそれぞれ仕事をしながらそんなことを話していると、13号が抜けた。
次いで、相澤も次の授業に向かうため引き上げようとした。
『待ちなよ』
相澤の足が止まった。
福使が彼の腕を引いたからだ。
相澤が瞬きを数回して嫌そうに頭を掻いた。
2人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:NamE.薆 | 作成日時:2017年11月25日 21時