十六人目『お菓子をくれなきゃ、この夜に閉じ込めるイタズラをしちゃうよ!』 ページ17
私が指をパチンと鳴らす。
すると私の異能が発動して、瞬時に服が切り替わる。
カボチャ色のワンピースに、杖。
足首に包帯を巻いて、悪魔の角を。
赤い首輪をぶら下げて、八重歯を見せて笑ったら、白いローブを剥ぎ取った。
『今宵の祭りに、南瓜はいかが?』
「ジャック・オ・ランタンですね!!」
敦くんが目を輝かせて当てた。
私の仮装はジャックオランタン。私の異能に一番近い仮装。
「似合ってるよ、とっても」
「ま、いーんじゃねェーの?」
太宰さんと中也さんが微笑んむ。なんだか急に恥ずかしくなって顔を下げると、芥川くんに顔を上げられた。
『うわっ』
「顔を下げるな」
「そうですよ。前を向けと言ったのは、貴女なんですから」
芥川さんに次いで安吾さんまで私の顔を上に押し上げた。痛いです、と言うと二人はいたずらに笑った。
「僕のAに触らないでくれる?」
「君の?そんなわけないだろう!僕のだよ!!」
「わ、吾輩……の、である!!」
コントみたいに仲の良い、スタイン君と乱歩さんとエドガーさんを見て笑いがこみ上げてきた。
「何方が魔女らしいのかしら」
「私」「いいえ、私よ!」
「どっちも可愛いじゃないか」
魔女らしさで争う鏡花ちゃんとモンゴメリちゃんの仲介をする与謝野女医。
まだ血糊落としてないんだ。
「僕、なんだか場違いな気が……」
「安心してください。彼奴の方が場違いです」
「うははははっ!!!祭りといえば花火!花火といえば火薬!火薬といえば爆弾!!爆弾といえば檸檬!!!」
梶井さんが檸檬爆弾をばら撒こうとするのは後ろでそっと全部回収して、国木田さんと目配せをする。ドストさんも、戸惑いを見せながらワインを開けた。
『よかった。みんな楽しそう』
「________Aも楽しそうだな」
優しい声に振り向くと、そこには噴水が水を流すばかり。でも今度は泣かない。
安心してよ、織田作。
『みなさん!!私にお菓子をくださいな!』
大きな声で呼ぶとみんなが私を見た。
みんなにしたこと、私がすること。
お菓子をもらう、合言葉。
『トリックオアトリート!!
お菓子をくれなきゃ、イタズラするぞ!!』
私の合言葉。
夜の祭りへの参加状。
さぁ、これからが本番。
まだまだ、ハロウィンは終わらない。
ハッピーハロウィン!!→←十五人目「今日だけ、貴女の手の上で踊ってあげましょう」
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赤珠(元 チョコうさ。)(プロフ) - NamE.薆さん» マジっすか!全裸待機しときます。 (2017年12月29日 22時) (レス) id: 5fa7fae13e (このIDを非表示/違反報告)
NamE.薆(プロフ) - 赤珠(元 チョコうさ。)さん» 新双黒の方も近々出します!! (2017年12月29日 22時) (レス) id: 71af860354 (このIDを非表示/違反報告)
赤珠(元 チョコうさ。)(プロフ) - 太宰さんが!!ヤバス!! (2017年12月29日 20時) (レス) id: 5fa7fae13e (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - 最後は綺麗なピタゴラスイッチ← (2017年12月25日 15時) (レス) id: 5a56e3c42b (このIDを非表示/違反報告)
やぬっちゃん(プロフ) - ありがとうございます!大満足です!敦君可愛い!やり直し前も好きです! (2017年12月17日 23時) (レス) id: b3f470051e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:NamE.薆 | 作成日時:2017年10月20日 23時