十一人目「か、カール!!これは食べちゃダメである!」 ページ12
森を抜けた先には古びた洋館。扉を叩けば独りでに開き、どこかへと誘われていく。
『お、お邪魔しま……す』
誘われるがままに扉を開けると中から、何かが転がってきた。
「キュッ!」
『ひゃぁぁあ!?………って、カール!』
浣熊のカール。
とあるミステリー作家のお友達……ってことは。
『そこにいるのは!!』
部屋の明かりをつけると隅の方から、びゃぁあああ!!と悲鳴が聞こえてきた。そこにいるのは、シルクハットをかぶり珍しくモノクルから紫色の瞳を見せている、エドガーさんだった。
『やっぱり、エドガーさんでしたか!』
「光は……光はやめるである。
………な、何の用であるか」
『伯爵さんに差し入れを』
カゴを見せると、カールがそれに飛びついた。エドガーさんはなんとなくわかったようでカールを抱き抱えながら、ぽそりと呟いた。
「と、トリックオアトリート、
お菓子をくれないと……イタズラは、しないである」
なんだか怖がられているようで、仕方なくカールにお菓子をくわえさせた。
「……キュッ!」
「チョコレート……であるか?」
頭を使うことには糖分が必要だからね。
カールが嬉しそうにエドガーさんの周りを回る。何処と無くエドガーさんも嬉しそうに笑っている気がする。
「………でも、いいのであるか?」
急にしゅんとしてしまったエドガーさんが心配そうに私を見た。
「吾輩、いつも周りを困らせるである。吾輩なんかに優しくして………吾輩は、何をやっても結局できないであるよ?」
言い終わったのを日計らって思いっきりエドガーさんの頬を挟み込んだ。
『エドガーさんはすごいよ?
影ながらみんなを応援してることも、支えてることも知ってる。だから、もっと自分に自信を持っていいんだよ!』
ね?と顔を近づけると、エドガーさんと鼻が軽くぶつかった。エドガーさんが恥ずかしそうに顔を隠す。
「………わ、わかったである。
少し、少しだけ……頑張ってみるである」
エドガーさんがいうとまた独りでに扉が開いた。
カールがそこに向かう。
「今度、その…吾輩の小説……見にくるであるか?」
私は元気よく、勿論!と答えた。
カールが案内する道を歩くと洋館の出口についた。古びていたそこも今は怖くない。
「キュキュッ!!」
カールが見送るように鳴く。
次は、南瓜のツンデレ魔女さん。
十二人目「私ってそんなに勘付かれやすいのかしら……」→←十人目「僕が守るよ。ゼッタイにね」
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赤珠(元 チョコうさ。)(プロフ) - NamE.薆さん» マジっすか!全裸待機しときます。 (2017年12月29日 22時) (レス) id: 5fa7fae13e (このIDを非表示/違反報告)
NamE.薆(プロフ) - 赤珠(元 チョコうさ。)さん» 新双黒の方も近々出します!! (2017年12月29日 22時) (レス) id: 71af860354 (このIDを非表示/違反報告)
赤珠(元 チョコうさ。)(プロフ) - 太宰さんが!!ヤバス!! (2017年12月29日 20時) (レス) id: 5fa7fae13e (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - 最後は綺麗なピタゴラスイッチ← (2017年12月25日 15時) (レス) id: 5a56e3c42b (このIDを非表示/違反報告)
やぬっちゃん(プロフ) - ありがとうございます!大満足です!敦君可愛い!やり直し前も好きです! (2017年12月17日 23時) (レス) id: b3f470051e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:NamE.薆 | 作成日時:2017年10月20日 23時