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｢…っは！｣
あれ？寝てた？？？
目が覚め、辺りをキョロキョロ見回すと、肩から何かが落ちる音がした。
拾うと、大きめのスーツの背広。
あれ、、こんなの掛けてたっけ…
寝起きでまだ回らない頭では何も考えられず、デスクトップに目線を移すと、やるべき仕事は終わっていたようだった。
良かった。ちゃんと終わらせてから眠っていたみたい。
ほっと安堵していると
｢あ！みょうじさん、起きた？？｣
オフィスの入口から入ってきたのは、缶コーヒーを2つ抱えた、ニコニコ笑顔の井ノ原さん。
予想外の人物の登場に心臓が早く脈打つ。
｢い、井ノ原さん！？どうしてここに…？！｣
サ、サンタさんからの素敵なプレゼント？？
まさか好きな人が現れるなんて思ってもいなかった。
それに、今日まで出張だったから、クリスマスは会えないと思っていたのに。こんな夜遅くに？どうして？この背広はもしかして井ノ原さん？色んな思考がぐるぐると頭を駆け巡ると同時に、熱を持った顔が、赤くないといいな、なんて他人事のように思う自分もいる。
｢いやー思ったよりも早く帰って来れてさ、確認したいことあったから寄ったんだけどちょうどみょうじさんが居てね。みょうじさんあんまりにも気持ち良さそうに寝てるもんだから。起こしちゃうの可哀想で｣
二ヘラと笑い、私の隣のデスクに腰掛ける井ノ原さん。
聞こえてしまうんじゃないかと心配になるくらい、心臓がバクバクとうるさい。
｢遅くまでお疲れ様。これ良かったら｣
と、今買ってきたのであろう温かい缶コーヒーを手渡してくれる。
｢あ、ありがとうございます｣
受け取った手からじんわりと温かさが伝わり、心までほっこりしてくるようだった。
｢もう仕事は終わったの？｣
｢あ、はい。お陰様で…｣
コーヒーを1口啜ると、体全体に温かさが広がり、思わず頬が緩む。
｢あとさ…それ、みょうじさんの仕事じゃないよね？｣
｢え？えっと〜………はい。｣
一瞬否定しようか迷ったけど、嘘をつくのは心が痛くやめた。それに、井ノ原さんの顔は、責任追及というより、少し困ったような悲しそうな顔だったから。
｢だよね？なーんか見た事あると思ったんだよ！多分アイツ終業間際で頼んできたでしょ。…ったくもう、俺だけに頼めって言ってんのにさあ〜。夜遅くまでほんっとごめん！俺がアイツにもうゲンコツしとくから｣
そう言い、自分の拳にはぁ〜と息をかけ、今にもゲンコツしてきますというような気迫に、思わず笑みがこぼれた。
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ミナミ(プロフ) - みるくプリンさん» コメントありがとうございます！励みになります(〃´o｀) (2023年2月5日 18時) (
レス) id: 858a3e2b9b (このIDを非表示/違反報告)
みるくプリン(プロフ) - いのっち優しい、癒される(*´艸`)続きが楽しみです、更新頑張って下さいね✨ (2023年2月5日 0時) (レス) id: 49fc610c53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミナミ | 作成日時：2023年1月28日 10時
