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健の言っている意味が分からず、ただ、瞳を見つめ返していれば、ふと視界が暗くなり、唇に柔らかい感触が当たった。
キスされたと理解するには少し時間が掛かった。
｢な、なにして…？！｣
思わず掴まれた腕を引き、口元を隠す。
耳の裏まで熱がこもるような熱さが顔全体に広がる。
｢…俺が望めば、Aは俺のものになってくれるの？｣
オレンジ色の光を一身に浴びて、キラキラ光る瞳。
じいと私を見つめるその顔は、どんな女の子よりも可愛くて、どんな男の子よりもカッコよくて。
どうしようも無く心がぎゅうと締め付けられる。
｢望むも何も…。私はずっと前から健のこと好きだった…よ？｣
気恥ずかしくて、最後に何故かクエスチョンマークが付いてしまったけど、精一杯答えを出す。
私の答えに、一瞬驚いた顔をした後、照れたような、困ったような顔になる健。
1度離れた距離がまた少しずつ詰められる。
｢ごめん、もっかいキスしても良い？｣
｢もうっ……そう望むのなら、どうぞ？｣
そうして、恋人同士としてまた唇を重ねた。
太陽は沈みかけ、教室はもう薄暗くなっていて。
今、どうしようも無く青春してるんだと思う。
唇が離れると、寂しさと物足りなさを一瞬感じてしまう。
｢俺、ずっとずっとAのこと好きだった。だから、今超幸せ｣
んふふ、と可愛い笑い声を漏らしながら、コツンとおでこがくっつけられる。
｢健の好きな人がまさか私なんてさ、全然気が付かなかった｣
｢だからさ…全然気づかないからホントに脈ナシだと思って毎度傷ついてたんだよ？実は｣
｢いや、私が勝手にドキドキしてるだけだと思ってあんまり顔に出さないように頑張ってただけだよ…｣
｢じゃあ今は？ドキドキしてる？俺の事だけ考えてる？｣
｢うん。今だけじゃなくて、前から健のことだけ想ってたよ。｣
直球にそう伝えれば、健の耳がほんのり赤くなったような気がした。
いつも余裕そうに見えて、実は健も私と同じようにドキドキしてくれてるのだと知って、愛おしい気持ちでいっぱいになる。
｢……じゃあ、今から剛に言いに行こ！｣
｢えっもう言いに行くの？！ちょっと恥ずかしくない…？！｣
｢もー何言ってんの！俺ずっと剛に相談しててやっと実ったんだから1番先に言わないと！｣
｢ちょ、そんなの聞いてないってば〜！！｣
手を引かれ、バタバタと廊下を走る私たち。
望むものは、お互い同じだったんだね、健。
終
続く (更新停止中)
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ミナミ(プロフ) - みるくプリンさん» コメントありがとうございます！励みになります(〃´o｀) (2023年2月5日 18時) (
レス) id: 858a3e2b9b (このIDを非表示/違反報告)
みるくプリン(プロフ) - いのっち優しい、癒される(*´艸`)続きが楽しみです、更新頑張って下さいね✨ (2023年2月5日 0時) (レス) id: 49fc610c53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミナミ | 作成日時：2023年1月28日 10時
