9話 お前もかよ ページ10
「そう言えば、達っていうけど他に誰が来てるの?」
「神楽ちゃんと土方さんはここにいますよ。
ただ銀さんを始めとして真選組の皆さんも見かけないんですよね…」
「ふーん…そっか。ねえ、団長知らない?」
「あー、神楽ちゃんのお兄さんですよね。
僕は見かけてないです。」
やはり、おかしいのだ。
同じように落下した団長も、きっと一緒にいたであろう銀さんもこの世界ではどうやらズレてしまったらしい。
…しかも幕府の犬も落ちてきたとなればまた状況は変わるわけで。めんどくさい事になった。
そもそもここに落ちた理由もわからないし、なんならこの世界の常識も、鬼の詳細もわからないのだから手の打ちようがない。
「Aさん、そう言えば鬼を倒す際何か光線のようなものが見えましたがそれはなんだったんですか?」
「光線…っていうか術ですよ。
神子(ミコ)って言って生まれた時に神の力を1部受け継ぐんです。…って言っても私以外の神子は戦争で全滅、存命してるのは私だけですが。」
「Aさん、意外とすごい人なんですよ。
名の通り神の力を使う子なわけで、戦闘能力は夜兎と互角…条件が揃えばそれ以上とも言われてます。」
「夜兎、とは神楽さんの事ですよね〜?
…あれ程の怪力を凌駕する力とは恐ろしい…」
顎に手を当て考える素振りを見せる胡蝶さん。
そして閃いたように言う。
「神の子だから鬼に対抗出来るのでは?」
「…一理あるかも。
でも神の1部を貰っただけで存在としては人間と変わらないんですよ。なんでですかね。」
そう、そこも疑問である。
種族としては人間である以上、その条件が例外になるとは思えなかったのだ。
…でも、今現在これ以上に有力な候補もなく、結局鬼を倒せるのは神子だから、ということでまとまりがついた。
その後、神楽ちゃんの部屋まで案内してもらった。
やはり旧友との再会は嬉しいものだ。
「…神楽ちゃん、Aだけど。」
そう言うと襖の奥から物凄い地響きと物音がした。
と、同時に胸に飛びつく赤毛の子。
「A?!久しぶりアル!!!
なんでここにいるネ?!?!」
「私も飛ばされちゃったみたい。神楽ちゃんが元気そうでよかったよ。」
「ばかはどこいったネ?一緒じゃないアルか?」
「団長と一緒に落ちたはずなんだけど、近くにはいないみたい。…明日また探そうかなって思ってる。」
そう言うと神楽ちゃんは少し寂しそうな顔をした。
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ナルシスト - とても面白くていい小説ですね!これからも頑張ってください! (2020年4月17日 14時) (レス) id: 9f29b33a37 (このIDを非表示/違反報告)
mio - 更新頑張ってください!応援しています!! (2020年3月16日 15時) (レス) id: 2668335830 (このIDを非表示/違反報告)
いるあ(プロフ) - とても面白いです。この感じだとオチは神威なのでしょうか?神威だととても嬉しいのですが、、、楽しみに更新を待っています。 (2020年2月16日 11時) (レス) id: 8f6ad57d8f (このIDを非表示/違反報告)
4o(プロフ) - 妖精・ナルルさん» ありがとうございます!これからも少しずつ更新しますのでよろしくお願いします( . .)" (2020年2月7日 2時) (レス) id: 14a215dd40 (このIDを非表示/違反報告)
妖精・ナルル - 面白いです! (2020年2月6日 21時) (レス) id: 428de63203 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:4o | 作成日時:2020年1月31日 4時