4話 鬼退治部隊?? ページ5
やばい、見られた。
こうなったら強行突破。
見知らぬ土地で不祥事など起こしたと知られたら…たまったもんじゃない。
ダンッと地を力強く踏み、近くの屋根に飛び乗る。
後ろを振り返ると少年は驚いた顔をした。
そんなのは無視無視。
とにかく逃げねば。
そして団長を探さなきゃ。
そう思いまた正面を向くと。
(___あれ、侍に囲まれてるの?)
刀を所持した人間に囲まれているっぽい。
どうやらそいつらは私を敵対視しているらしく。
…めんどくせえ。
こうなったらこいつら諸共口封じするしか…と、なんとも残酷な考えがよぎった時。
少年は口を開く。
「…あの!」
「はい、なんでしょう。私急いでるんですけど。」
「人間、ですよね。」
はあ?と首を傾げる。
私が人間以外の何に見えるのだ。
第七師団は夜兎を中心とした組織だが、私はその【例外】に含まれる。
人間だけど人間ならざる身体能力。
そして神子の力。
そう、産まれた時から運が良かったのだ、きっと。
団長に拾われたあの日も。
…まあ今は回想に浸っている場合じゃない。
なんせ侍に囲まれてるのだ。
侍は強い、と以前団長が言っていたのを思い出す。
「私が人間以外の何に見えるのでしょうか。天人と言いたいんですか?」
「あ、天人…?」
「…天人、知らないんですか。江戸に住んでる割に無知なのですね。」
「江戸?ここは江戸じゃないです。
それに江戸って昔の…?」
「江戸じゃないんですか?ここはどこです?」
「浅草です、けど。」
その少年は私の身なりを確認し、また質問をする。
「どこから来たんですか?その服装、和でも洋でもない…それに、鬼を倒す実力。」
「これは団長のお下がりです。言うなら中ですかね。鬼を倒す…って大袈裟に言いますけど、あいつら大して強くもないですよね。もしかして君、桃太郎ですか?」
「鬼が強くない…??それに桃太郎じゃありません!!俺の名前は竈門炭治郎です!」
「初対面に本名名乗るって警戒心皆無なんですね。それでは。」
そうだよ、だって鬼倒してるの見てびっくりしてるのとか、きっと少年の仕事を奪ってしまったからに違いない。
ごめんね、桃太郎。
今度から鬼に遭遇したら手は出さず野放しにしよう。
そう思った矢先、前方から何かが飛んできた。
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ナルシスト - とても面白くていい小説ですね!これからも頑張ってください! (2020年4月17日 14時) (レス) id: 9f29b33a37 (このIDを非表示/違反報告)
mio - 更新頑張ってください!応援しています!! (2020年3月16日 15時) (レス) id: 2668335830 (このIDを非表示/違反報告)
いるあ(プロフ) - とても面白いです。この感じだとオチは神威なのでしょうか?神威だととても嬉しいのですが、、、楽しみに更新を待っています。 (2020年2月16日 11時) (レス) id: 8f6ad57d8f (このIDを非表示/違反報告)
4o(プロフ) - 妖精・ナルルさん» ありがとうございます!これからも少しずつ更新しますのでよろしくお願いします( . .)" (2020年2月7日 2時) (レス) id: 14a215dd40 (このIDを非表示/違反報告)
妖精・ナルル - 面白いです! (2020年2月6日 21時) (レス) id: 428de63203 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:4o | 作成日時:2020年1月31日 4時