7話 虫女 ページ8
他人の家のタンス漁るのは気が引けるけど、この世界を理解するには仕方の無い犠牲だ、と言い聞かせてタンスを開ける。
そこには綺麗に整頓された何着かの着物と、下着。
(え…なにこの下着…なんでこんな真っ赤なん…)
私が目にした下着は真っ赤な生地に白のレース。
…いわゆる勝負下着?
え、いやまじで誰の勝負下着?
どうしようおばさんの勝負下着だったら。
ちょ、吐きそう…
とどうしようも無い体調不良に襲われる。
普通客間に勝負下着置かないよね?!
誰だよマジで!!!
ガラ、と襖がいきなり開く。
何故か焦って手にあった勝負下着を顔の前に広げる。
「…あ」
「…」
「いや、私のじゃないですから!!!!!ほんっとに!!タンスの中に入ってたんです!!!」
やばい勝負下着手にしてるところ見られた!!
もうこの人完全に私の事白い目で見てる!
「…そうか。」
いやそうかじゃねえ!!!納得してないだろその顔!!
「冨岡さん?そんなんだから嫌われるんです…あ。」
後ろからひょこりと出てきた虫女。
私が手にした勝負下着を見るなり奇声をあげる。
「なんで私の下着を持ってるんですか?!?!絶対斬る!!!!!」
「いやタンスに入ってたんです!!!こっちも見たくてみたわけじゃ」
ひゅんっと刀が振り下ろされる。
…あぶねえな。
どうやらこの勝負下着は虫女の物だったらしく、赤面しながら刀を右往左往に振り回す。
先程襖を開けた冨岡さん(?)が死にものぐるいで止めようとする、が。
虫女が小柄なせいか、するりとその脇から脱出。
追いかけられて今に至る。
「ちょ、とりあえず刀しまってください!!!」
「もうイヤ…なんで…!!」
全く聞く耳を持たない虫女に、ストッパーとして機能しない冨岡さん(?)。
仲間なんだから止めろよ!と言いたかったが、あいにく団長を止めようとしても止められなかった経験があるため、そこはぐっとこらえた。
上がくそだと下は大変なんだな、と勝手にこの2人の立場をきめつけ、被害に遭わぬよう廊下を駆け抜ける。
にしても屋敷が広すぎてよく分からない。
真っ直ぐ進んでるはずなのに景色がそれほど変わらない。
それでも走り抜けると外に繋がる廊下が見える。
…あ、私あの辺から来たんだ。
少しスピードを上げて走ると誰かと衝突した。
相手の体重が重いのか、私の体は外へぶっ飛ばされた。
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ナルシスト - とても面白くていい小説ですね!これからも頑張ってください! (2020年4月17日 14時) (レス) id: 9f29b33a37 (このIDを非表示/違反報告)
mio - 更新頑張ってください!応援しています!! (2020年3月16日 15時) (レス) id: 2668335830 (このIDを非表示/違反報告)
いるあ(プロフ) - とても面白いです。この感じだとオチは神威なのでしょうか?神威だととても嬉しいのですが、、、楽しみに更新を待っています。 (2020年2月16日 11時) (レス) id: 8f6ad57d8f (このIDを非表示/違反報告)
4o(プロフ) - 妖精・ナルルさん» ありがとうございます!これからも少しずつ更新しますのでよろしくお願いします( . .)" (2020年2月7日 2時) (レス) id: 14a215dd40 (このIDを非表示/違反報告)
妖精・ナルル - 面白いです! (2020年2月6日 21時) (レス) id: 428de63203 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:4o | 作成日時:2020年1月31日 4時