story3 ページ4
巌「お前、ほんとに何しに来たんだ。」
『だーかーらー、黒山さんについて行けって言われたの。ここまで気分悪くなるとは思ってなかったよ。』
全員が自宅へと帰り、私と巌さんだけになった稽古場には、声が妙に響く気がする。
巌「お前に主演の代役を任せる。以前やっていたジョバンニとカムパネルラは良かった。」
『巌さんまで喧嘩売ってきてんの…？今の私にはカムパネルラもジョバンニも出来ないよ。』
巌「出来ないじゃねえんだよ。やれ。」
お互い睨み合いのような状況。水を打ったように空気が冷えている。
私は以前、同じ大黒天に所属する役者仲間がいた。そいつとここに来て、銀河鉄道の夜を2人だけで演じたんだ。主演を交換したりして、楽しくて楽しくて仕方なかった。
けど彼奴はもういない。私にはもう演じられない。
ｷｨｨ
ふと聞こえた扉の開く音。その先には 明神 阿良也がいた。どこか居心地が悪くなり、そのまま立ち上がり、巌さんに言い放った。
『アンタの目も濁ったもんだな。』
阿良也くんの横を通り過ぎようとすると、腕を掴まれた。思わずを振り返り、頭に疑問符を浮かべる。
しかし、阿良也くんは喋らず、顔を近付けてきた。
巌さんの方を見るも、面倒事に巻き込まれたくないのかそっぽを向かれた。あんのクソジジイ…()
阿良也「うん。君、臭うね。凄くいい。」
『柔軟剤のことかな？』
ヘラリと笑みを浮かべ聞くと、彼は首を横に振った。
それを見て「あ〜」と、何となく察する。
恐らく彼が言っているのは、自分ならではの世界観の話だ。私が相手の瞳を見て、気に入るか否か判断するのと同じように、彼は臭いで判別するらしい。
顔も近いし丁度いい。彼の瞳をじっと見る。深い青色。吸い込まれそうになる。直感的に気に入った。
『貴方凄くいい！綺麗な目をしてる。巌さん！私この人気に入った！いいよ、代役引き受ける！』
にこやかに、今度は本当の笑顔を巌さんに向けると、巌さんは当たり前だと言いたげに鼻をフンと鳴らした。
阿良也「じゃあ少しやってみてよ。芝居。なんでもいいよ。鈴夜がやりやすいやつ。」
飛んだ無茶振りを言われました ＿
続く (更新停止中)
お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←story2
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 50人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
白藍(プロフ) - アクタージュの小説なかなかなくて見つけられてめっちゃうれしいです！そしてストーリーとキャラが神ですねへへへ 更新されたら秒で見に行きます！！楽しみにしてます！ (2020年8月6日 14時) (
レス) id: 4f5acc476e (このIDを非表示/違反報告)
クルル(プロフ) - あ〜神ですね！はい！これからもご無理のないように更新待ってます！ (2020年7月20日 23時) (レス) id: 5254ebaae5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：銀木犀 | 作成日時：2020年6月27日 3時
