３３話 ページ35
風邪も無事良くなり、お見舞いに来てくれた先輩たちにそれぞれの好物を買って渡した。
出水先輩には模擬戦に付き合わされ、柚宇先輩とはゲームが出来た。まあポイントは減ったけど損はしてないだろう。廊下を１人でテクテクと歩く。
スマホがピロンと鳴る。見てみると、出水先輩が明日もランク戦をしないかという誘いだった。
そしてふと気がついて、立ち止まる。
『あ。』
オレが独りになった日が明日だということに。
一つ、オレの昔話をしよう。
４年前、オレは父と母、そして兄と共に暮らしていた。まあまあ裕福な家庭だったと思うし、それなりに暮らしていた。
ただ、中々習い事や勉強などに厳しかった。オレはピアノ、兄はサッカーをさせられていた。
だからオレはその時ゲームなんてもの知らなかったし、クラスの人と遊ぶとかもしたことがなかった。
だからといってその生活が嫌いだった訳じゃなかった。
その日は突然来た。近界民が来た、第一次大規模進行。日曜日で、オレはゆっくり昼食をとっていた。
突然の衝撃に、何が起きたのか分からなかったが、ただ家族と逃げた。
しかしその途中で、オレを除く３人は、大きな怪我を負った。肩を貸しあって、何とか避難所まで逃げた。
運ばれていく３人を見て、オレは端でうずくまっていた。
しばらくすると、医師に呼ばれた。話を聞けば、３人の意識はなく、このまま息を引き取るのを待つしかない様だった。
オレは親戚に引き取られた。それから毎日毎日、３人の元へと行った。もしかしたら目を覚ますかもしれない、もしかしたらまた話せるかもしれない。微かな期待を持って、毎日病院に通った。
けど、３人は同じ日に死んでしまった。既に死を待つしかないと言われていたから、涙は出なかった。
その日が、１月３０日。明日だ。
毎年毎年、その日は何があろうと空けていた。スマホの電源をぶち切って、墓の手入れをして、花を添えて、お菓子など添えたら、その横に座り込んで、一日中ぼーっとする。
そんなくだらない話だ。
オレは『明日は外せない予定があるので。』とだけ返しておいた。
家へと向かう。どうにも気分が上がらない中、オレはゲームガチャを回した。
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白狐(プロフ) - すっごい良かったです！リクエストに答えてくれてはありがとうございました！ (2020年5月16日 0時) (
レス) id: 002b072ada (このIDを非表示/違反報告)
銀木犀(プロフ) - 白狐さん» リクエストありがとうございます！荒船さんですね！小話が終わったら書きます！応援ありがとうございます！ (2020年5月15日 0時) (レス) id: d3af7e70e2 (このIDを非表示/違反報告)
白狐(プロフ) - 了解しました！これからも、応援しています！因みに、自分のリクエストは｢荒船哲次｣さんです！ (2020年5月14日 23時) (レス) id: 002b072ada (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：銀木犀 | 作成日時：2020年5月12日 3時
