でこぼこ家族 (ページ44)

今日:5 hit、昨日:5 hit、合計:116,168 hit

･ページ44

「ねー、お家でたんだから、そろそろ教えてよ。」

「歩いていくってことは、近くだよね？」

「まーだなーいしょ。」

まあ、祐くん以外は予防接種に行くといっても逃げたりムチャクチャ嫌がったりはしないんだけどね。

山下先生に抱っこされてるヤツは絶対に泣き叫んで大変なことになるだろうから、お兄ちゃん達にも黙っておく。

「あとどれくらいでつく？」

「あと5分くらいかな。どうしたの？しげ。
疲れちゃった？」

「ちょっと。」

祐くんがいるのと、落ち着いているせいで私もついもう大きい子だと思っちゃうけど、しげだってまだ1年生だもんね。

「大丈夫？ねーちゃん、だっこしてあげよっか？」

「大丈夫。しげ、もうお兄ちゃんだし、あと5分なら歩けるよ。」

「そう？キツくなったらすぐに言うんだよ？」

「わかってるよ。ねーちゃんじゃあるまいし。」

「ねーちゃん、この前アスレチックにいったとき、無理して熱中症になっちゃったもんね笑」

「しげも慶ちゃんも、いつまでその話するの！」

「たかもしてあげよっか？」

「ゆうくんも！」

「もうお腹いっぱいですー！」

ふと山下先生をみると、なぜかニヤニヤしている。

「どうしたんですか？ニヤニヤしちゃって。」

「楽しそうだなって。いいよね、姉弟仲良しで。」

「姉の威厳とか、ナニソレ食べれるの？ってレベルでないですけどね。」

「っていうか、山下先生も仲良しでしょ！」

一歩前を歩いていた貴久が、急に振り向いて抗議する。

「そうだよ！けい、山下先生のこと、お兄ちゃんみたいに思ってるもん！」

私だけでなく、みんなも山下先生のことを大切に思ってくれているようで、嬉しい。

「おー。嬉しいこといってくれるじゃん」

そういう山下先生の顔は、この上なくデレデレで、結構歳上なのについ可愛いと思ってしまう。

山下先生って、子供ができたら子煩悩なお父さんになりそうだな。

「ゆうくんやましたせんせいがあそんでくれるだけでおいしゃさんにならなかったらもっとなかよくなれるのにー」

「わたしもー笑」

「残念ながら、それはできませーん笑
そんなこと言う子には、ぎゅーっとしちゃうぞ！」

そういいながらぎゅーっと祐くんを抱きしめる山下先生。

「くるしー！笑」

「どうだー！」

そんな他愛ない話をしているうちに、目的地についた。

「今日の目的地はここだよ！」