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「上の3人は？」
「いま着替えにいってます。
すみません。私もまだパジャマで。」
「俺もちょっと早く来ちゃったから、こっちこそなんかごめんな。
まだ準備できてなかったのに。
祐也は俺がみとくから、Aは支度してきなよ。」
「じゃあ、お言葉に甘えて。
それにしても祐くん、さっきちょっと注射の話をしただけであんなに嫌がるなんて、今日が心配で仕方ないですよ。」
「大丈夫だよ。そもそも、Aだって祐也とたいして変わんないぞ？」
意地悪そうな笑みを浮かべながら言ってくる山下先生にも、なんだかキュンとしてしまうあたり、この人のことが大好きなんだと自覚する。
「確かに注射はダイッキライですけど、祐くんよりマシです！」
言い返した私のことをさらに楽しそうな顔で見つめる山下先生をおいて、着替えのために自室へ行った。
着替えて軽くメイクをしてリビングにもどると、もうみんなの支度は終わっていた。
「ごめんごめん。おまたせ。」
「ごめん、慌てさせちゃった？」
「え？」
「いや、着替えに行ってからまだ10分もたってないから。本当はメイクとかもっと時間かけてるのかなって。」
「大丈夫だよ、山下先生。ねーちゃん、いっつも支度早いもん。
たかより早いよ。」
「だって、毎日なに着ようかなって悩んでるんだもん。
ねーちゃん、女子力って知ってる？」
「たかにい、ねーちゃんに女子力なんて言ったら可哀想だよ。」
「しげの言う通りだよ、たか。人にはもともと持ってないものがあるんだから。」
慶ちゃんとしげのあわれむような視線が辛すぎる。
いいもん！別に女子力なんか！
主婦力と助産師力があればいいもん！
「ほら、いじけてないで出掛けよ？」
「いじけてないです！
私には主婦力と助産師力があれば充分ですから！」
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作者名：ぽん | 作成日時：2017年5月22日 16時
