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「お疲れ様でーす。」
斎藤さんの沐浴指導もおわり、慶ちゃんをつれてナースステーションでちょっと休憩。
ナースステーションには、別の方の沐浴指導をしていた翔くんと洋子さんがもどってきていた。
「お疲れ様。どうだった？慶一郎くん。」
「赤ちゃん、めっちゃ可愛かった！」
「そっかー。赤ちゃん、かわいいよねー」
「だよね！俺もお母さんについてみせてもらったけど、すんごく気持ち良さそうにしてるの！」
先輩の助産師さんたちに囲まれて、いきいきと話している慶ちゃんと翔くんをみていると、自然と頬が緩む。
「おつかれさまー。」
「あ、長瀬先生。おつかれさまです。」
この人は産科の長瀬先生。松岡先生とは同期の間柄らしい。
「翔、ひさしぶりだな！こっちは橘の弟くん？」
「ひさしぶり！」
「はじめまして！橘慶一郎です！」
「そうか。よろしくな。
そういえば橘。妊婦さんの家族から苦情入ってたぞ。」
「え？すみません！どういう苦情でしたか？」
「病室で、クソオヤジ！って叫んでる、小さくて若い助産師がいたって。
橘のことでしょ。」
あ！あのとき、病室のドア開けっ放しだったから！
「すみません！」
「今度から気をつけろよ？」
「はい。」
「Aちゃん、昔っから言葉づかいについて叱られてたみたいだもんね。」
「でも、家だともっとひどいですよ？」
「慶ちゃん！余計なこと言わなくていいの！」
先輩たちからもニヤニヤした目でみられて、恥ずかしい。
っていうか、どこまで広めてんだよ、あのクソオヤジ！
でもよかったー。思ったより叱られなくてすんだ。
危機回避！
「んで、クソオヤジって誰のこと？」
「だれだれ？」
回避したわけでもなかった……
って、長瀬先生も洋子さんも、絶対この状況を楽しんでますよね？！
スッゴク楽しそうな顔してますよ！
二人とも絶対に検討がついている上で聞いてくるからタチが悪い。
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作者名：ぽん | 作成日時：2017年5月22日 16時
