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「おはようございまーす。斎藤さん、赤ちゃんの沐浴の時間でーす。」
さて、申し送りも終わり、いまから慶ちゃんをつれて、沐浴指導の時間。
「あ、橘さん。その子がこの前言ってた弟さん？」
「はい。ほら、挨拶は？」
「橘慶一郎です！よろしくお願いします！」
「イイコだねー。羨ましいわ、ほんとに。
うちのはもうヤンチャでヤンチャで大変よ。」
「斎藤さんのところのお兄ちゃん、まだ1年生ですもんね。
うちも、下の弟はまだ小さくて、スゴいやんちゃなんですよ笑」
「でも、いちばんはやっぱりねーちゃんだよ！」
は？なにいっちゃってんの、慶ちゃん！
「えー？なになに？気になるー。」
「そんなことないですから！
だいたい、慶ちゃん私が小さかった頃のこと、知らないでしょ！」
「さっきねーちゃんたちが申し送りってやつをしてる間に、翔と松岡先生のところに遊びにいって聞いたの。
ねーちゃん、小児科で有名だったよ！」
「はー？！なにしてくれてんの！あのクソオヤジ！
どうりで、私が入院してたころにはいなかったはずの新しい小児科のスタッフからもいじられるわけだ！」
「オバサンにも教えてよ。コッソリでいいからさ。」
「いいですよ。あとね、松岡先生のことクソオヤジとかあんなに大きな声でいっちゃう時点で、ヤンチャだよ笑」
「うそ？私そんなに大きな声でてた？」
「うん。」
うわー最悪……
誰にも聞かれてないことを祈ろう。
「ねーちゃん、小さい頃ここにしょっちゅう入院してたらしいんだけど、治療が嫌で病院内を逃げたり、勝手にお外にでたりして、よく松岡先生にスッゴク怒られてたらしいんですよ。
大きくなってからは、しょっちゅう検診サボったりしてっていってました。
怒られるたびに泣くっていう。」
「へー。そうなんだ笑」
「松岡先生怖いんだから、仕方ないじゃん！
それに、昔の話ですから！」
「でも、この前熱中症になったときも大変だったって言ってたよ。」
どこまでしゃべってんの！
「まあ、それはいいから、はやく赤ちゃん沐浴させてあげましょ！」
「私は橘さんの話をもっと聞いてたいんだけどな笑」
「赤ちゃん待ってますから！」
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作者名：ぽん | 作成日時：2017年5月22日 16時
