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「ほら、早く服まくって。」
ただいま、山下先生の部屋。目の前には聴診器をもった山下先生。
「夕飯の準備手伝うって言ったのに……」
「それは慶一郎たちがやってくれてるよ。」
そう、夕飯の支度を手伝うという私の主張もむなしく、山下先生に診察されそうになっている。
ちょっと具合が悪いときならまだしも、ほぼ回復したいま、山下先生に診察されるなんて恥ずかしすぎる。
怖いっていうのもあるけど。
「もう元気なんだから、いいじゃないですか」
「それを確かめるからさ。」
「確める必要もないくらい元気ですよ。」
「それでも確めるのー。」
このままねばってるうちにご飯ができたら、解放されるかな？
「もう。ねばってるうちにご飯ができたら診察から逃げられるとか思ってるんでしょ。
診察終わらないと、リビングに行かせないよ？」
「顔にでてました？」
「Aが考えてることなんて、だいたい分かるよ笑
ほら、優しく診察してあげるから。
あと5秒のうちに服を捲らなかったら、勝手に手をいれちゃうよ？」
さすがにそれはいやなので、慌てて服をめくる。
「最初っから素直にそうすればいいのに。」
真剣な顔をして聴診する山下先生と顔を合わせるのはやっぱり恥ずかしくて、顔をそらしてしまう。
「緊張してる？
脈、速くなってるし、顔も赤いよ？」
「うるさいです」
「ふふ笑 じゃあ、深呼吸してね。
スーハー」
山下先生の声に合わせて深呼吸をする。
「よし、もう大丈夫そうだね。よくできました。
Aも祐也も、プライベートじゃいっつもよってきてくれるのに……」
そういって頭を撫でる山下先生の手つきは、子供にするソレとかわらず、なんだかちょっとむかつく。
「私、もう大人です！
あと、医者か医者じゃないかの違いは大きいです！」
「ごめんごめん笑
じゃあ、みんなのところもどろっか。」
「祐君もそろそろ起こさないと。」
かれこれ二時間はお昼寝したからな。
夜に眠れなくなっちゃうと大変だし。
「そうだね。」
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作者名：ぽん | 作成日時：2017年5月22日 16時
