検索窓
今日:1 hit、昨日:14 hit、合計:116,159 hit

ページ28

「あの、落ち着いてください。」



「すみません!えーっと……」



どうしよう?
いまので言おうと思っていたこと全部どっかにいっちゃった!



「こんばんは。慶一郎です。5年生です。」




慶ちゃん、ありがとう!




「貴久です。いま3年生です!」



本当によくできた弟たちだ…



「ほら、シゲもあいさつしよ?」



慶ちゃんは、自分の後ろに隠れていたシゲにも挨拶をするように促した。



「成亮です。一年生です。」



「よくできました。」



そんな風にシゲの頭を撫でる慶ちゃんは、私なんかよりもずっとお兄ちゃんに見えて、こんなときになんだけど、成長を感じた。

そして、そんな弟たちのおかげで私も落ち着きを取り戻すことができた。




「橘Aです。山下先生にはいつもお世話になっています。
すみません。いきなり押し掛けて泊めていただいて。」




「いえいえ、こちらこそお世話になっています。
智久から事情は聞きました。お体の方は大丈夫ですか?」




「はい。もうすっかり。」



「大丈夫だよ、父さん。
あとで俺がちゃんと診るから。」



「あ、それは結構です。」



「だーめ。ちゃんと診るからね?」



こうなったときの山下先生はテコでも動かないから、しょうがなく提案を呑むことにした。



「母さんは?」



「買い物に行くっていってたよ。
今日は人がいっぱいいるからって張り切ってたな。」



「母さんらしいな……
とりあえず、みんな座らない?」



あ、そういえばみんな立ちっぱなしだった。



「そうだな。」



「………」



……気まずい


机を囲んだとはいえ、気まずすぎる…


話すことないし!


なに話したらいいか分かんないし!


だいたい向こうからしたら、急に息子の彼女とその弟が泊まりにきたってことでしょ?!


沙耶さん!早く帰ってきてください!




「…とりあえず、父さんもババ抜きに混ざる?」



この状況をみかねてか、山下先生がそんな提案をした。


でも、初対面の息子の彼女たちとババ抜きなんてするか?普通。



「…そうだな。」




するんだ……

・→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (43 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
145人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぽん | 作成日時:2017年5月22日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。