過去 ページ2
それは、私が高3の春のことだった。
「今日は、みんなに嬉しい報告があります！」
夕飯後に、いきなりお母さんが切り出した。
「旅行に行くとか？」
「どっかにごはんをたべにいく！」
「あたらしいえほんをかった！」
弟たちが願望混じりな予想を口々にいう。
「Aの偏差値があがった笑」
「なんで笑いながらいってんの！」
「絶対に無いと思って。」
失礼な！まあ、たしかにずっと低空飛行ですけど！
「さーて、なんでしょう？
Aは？Aは予想ないの？」
お母さん、ノリノリだな。
「子供ができたとか？」
ないとは思いつつも言ってみる。
「なんで知ってんの？！」
うそ？！
「え？！いま無いと思って言ったんだけど、ほんと！？」
「本当だよ。」
きたーっ！
嬉しくて、みんなパニックになっている。
「女の子？」
「まだ分かんないわよ。初期だもん。
Aは女の子がいいの？」
「弟ばっかだもん。妹も欲しいじゃん？
かわいい服とか着せたい。」
「ねーちゃん、たかは弟だからきらいなの？」
ヤバッ！泣きそう！
「そんなことないよ！みんな大好き！」
「よかったー！たかもみんな大好き！」
「シゲも！」
「慶も！」
お父さんとお母さんが、そんな私たちの様子を見て笑っている。
お腹の子がうまれたら、もっと賑やかで楽しくなるんだろうなと思っていた。
あんなことが待ち受けているだなんて、思ってもみなかった。
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作者名：ぽん | 作成日時：2017年5月22日 16時
