・ ページ10
「お腹出すよ。」
「ちょ…待って！ストップ！」
「なに？もう充分待ったじゃん。朝から何時間も。」
呆気なくタカくんにお腹を出されてしまった私は、恥ずかしくて顔を背けた。
「痛かったら言ってよ。」
ああ、ついに始まってしまう。
どうか、便秘だってバレませんように！
タカくんにそんなことがバレるなんて恥ずかしすぎるし、その後の処置も怖い。
いっそ、ちゃんと出てるって言っちゃおうか？
…あっ！いたっ！
「なるほどね〜。何日出てないの？」
なんですぐ分かるの？！
やっぱり医者だから？！
ここは、なんとかして誤魔化すしかない。
「何の話？」
「お通じ。触ったところ、だいぶ出てないみたいだぞ。」
「えー？嘘？ちゃんと毎日出てるよ。」
あ、ヤバい。怒りのボルテージが上がった気がする。
「ふ〜ん。そうなんだ。
本当のことをいうなら今のうちだぞ。」
嘘がバレちゃっているのは見れば分かるけど、こっちだって怒っているタカくんを目の前にして本当のことなんて怖くて言えない。
「そう。だったら、ちゃんと病院に行って検査して、腹痛の原因をちゃんと見つけないとね。
胃カメラとか大腸カメラとか、大変だから頑張ってね。」
「ごめんなさい。本当は出てません。」
悔しいけど、病院に行って胃カメラや大腸カメラをするよりは、ずっとマシだ。
「ったく。祐也そっくりだな。」
ムム。これは何やら面白そうな予感。
「ねー、祐也そっくりっていう話、詳しく聞かせてよ。」
「処置が終わったらな。
で、何日出てないの？」
ケチ。
「今日で１０日目。」
「１０日？！なんでもっと早く言わないんだよ。便秘だって、立派な病気なんだぞ。」
「だって、そのうち出ると思ったんだもん。」
「も〜。こんなに固くなってたら自然には中々出ないよ。
浣腸持ってきてもらうから。」
タカくんはポケットからスマホを取り出して、慶ちゃんに浣腸を持ってくるように頼んだ。
と言うか、自分で取りに行けばいいのに。
「おまたせ。便秘だったの？」
「慶ちゃんストレートに言い過ぎ！
ちょっとお通じが無かっただけだもん。」
「10日間は、ちょっとじゃありません。」
「ああ、そんなに。
というか、浣腸くらい自分で取りにくれば？」
「しょうがないだろ。
俺が目を離した隙に、コイツ逃げそうだし。」
…信用ないな。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 199人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「病系」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はるあ(プロフ) - 今後の更新も良かったらしてもらえたらとても嬉しいです^ - ^作品凄く面白いです！ (2018年9月4日 12時) (
レス) id: 6620f45835 (このIDを非表示/違反報告)
名無し94291号(プロフ) - 毎回毎回楽しみにしてます！ (2018年3月22日 21時) (レス) id: 6620f45835 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：作者 | 作成日時：2018年3月7日 22時
