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予防接種(四男) ページ12

「ああ、その話ね。」










貴久side





「あ、タカにぃ!
久しぶりだよね〜、みんなでご飯に行くのも。」




今日は大学まで祐也のことを車で迎えに行く。

祐也には、"みんなで夜ご飯を食べに行くから"なんて言ってあるけど、一番の目的はそれではない。

確かにご飯にも行くんだけど、一番の目的は祐也に予防接種を受けさせることだ。

何回か行けとは言ってみたものの、注射が大嫌いな祐也が自分から行く訳もなく、このように半ば騙すようなことをすることになった。

助手席に座って、みんな揃って外食ができることを喜んでいる祐也を見ると、ちょっと良心が痛むんだけど、医学部に通う以上、実習もあることから予防接種は避けられない。





「ねー、家の方向じゃないよね?
このまま行くの?まだ4時だよ。」





ヤバい、怪しまれたか?

車で嫌だと騒がれるのだけは避けたい。





「あ〜、ちょっと職場に忘れ物。」




「も〜、ドジなんだから」




祐也の言葉に少しイラッとしながらも、バレなかったことに安堵する。

病院に着き、車をとめ、とりあえず第一関門は突破だ。

そして、次は第二関門。

病院という場で警戒している祐也を車から降ろさなければならない。





「はい、ついたよ。
祐也も車から降りない?」




「なんで?いいよ別に。
実習以外で病院に行きたくないし。」




まあ、そうくるよな。




「兄貴がもうすぐ仕事終わるからさ、待ち伏せして驚かせてやろうぜ。
面白い反応しそうじゃん。」




「乗った!」




祐也がイタズラ好きで良かったと、今だけは心から思う。

これで、祐也を疑わせることなく呼吸器内科の外来まで連れていける。

辻褄を合わせのためにさらっと消化器内科に寄ったら、いよいよお目当ての呼吸器内科だ。

ここまで来たら、祐也が多少騒いでもこっちのものだ。





「あの、予防接種の予約をしていました小山祐也です。」




「ちょっと!タカにぃ!聞いてない!」




「病院で騒がないの。」




案の定騒ぎだした祐也に睨みを効かせながら言うと、嫌だというのはそのまま、声のボリュームを下げた。

自分では自覚は無いんだけど、よっぽど怒った俺が怖いのか、昔から兄貴やシゲの言うことはきかない癖に、俺の言うことはよく聞いていた。





「こちら、問診と体温計になります。」




受付の人から受け取って、祐也が逃げないように腕を掴みながら椅子に座った。

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はるあ(プロフ) - 今後の更新も良かったらしてもらえたらとても嬉しいです^ - ^作品凄く面白いです! (2018年9月4日 12時) (レス) id: 6620f45835 (このIDを非表示/違反報告)
名無し94291号(プロフ) - 毎回毎回楽しみにしてます! (2018年3月22日 21時) (レス) id: 6620f45835 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:作者 | 作成日時:2018年3月7日 22時

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